評     価  

 
       
File No. 0829  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2008年09月20日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   ジャン=ピエール・アメリス  
       
上 映 時 間   90分  
       
公開時コピー   私が守ってあげる  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ [as ベティ]
ステファーヌ・フレス [as 父レジス]
ヨランド・モロー [as ローズ]
マリア・デ・メディロス [as 母マド]
バンジャマン・ラモン [as イヴォン]
オリヴィエ・クリュヴィイエ [as 学校の先生]
ダニエル・ズニク [as 犬舎の男]
ロリアーヌ・シール [as アニエス]
 
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あ ら す じ    10歳の少女ベティは、大好きだった姉のアニエスが寄宿制の学校へ入るために、ママのマドに付き添われて言ってしまったため、家政婦のローズと留守番をすることになった。ローズはパパレジスが経営する聖リュシー精神病院の患者で、仕事を終えると壁の向川にある病院に戻っていくのが日課だった。アニエスが居なくなったある夜、ベッドに就いたベティはパパとママが口喧嘩しているのを聞いてしまう。
 新学期が始まって2日目、病院で小さな事件が起こった。患者がひとり逃げ出したというのだ。そして、ベティは学校へ行くために自転車小屋へ行くと、そばの木陰で病院から逃げ出した患者らしき若い男性を見つける。ベティは彼を小屋に隠して学校へ行き、家に帰ると小屋を片付けて、その青年のために食べ物を小屋へと運ぶのだった。夜になると相変わらずパパとママの口論が始まり、やり直そうと言うパパに対して、ママは新しい恋人との関係を見届けたい、と拒否している。家族の先行きにさらに不安を感じたベティは、小屋へ行って青年に気持ちを打ち明ける。無口で名前も教えてくれない青年だったが、かれといると不思議とベティの心は安らぐのだった。
 ベティは、パパを心配しているふりでさり気なく病院から逃げた患者のことをパパから聞き出し、彼の名前がイヴォンであることを知る。ところが、イヴォンと共に過ごすベティの小さな安らぎは長くは続かなかった。ママが買ってくれたゲーム機を自転車小屋に置くことになったため、小屋の中の物は全部処分するとパパが言うのだ。ベティはついに、イヴォンを逃がす決意をするのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品で一番印象に残っているのは、ベティを演じたアルバ・ガイア・クラゲード・ベルージが可愛いかったこと。一番仲の良かった姉と離れ、両親は離婚寸前の状態に置かれながら、少女なりの精一杯の知恵でイヴォンを助けようとする、その健気さが最大の見所だと言っていい。10歳の少女が背負うには、あまりに重すぎる荷物。それは、姉の寄宿生活から始まり、父と母の決裂であり、イヴォンを匿うことであり、犬のナッツを助けることであり、あるいは学校で転校生のカンタンから受けた裏切りなのだが、それらを受け止めるだけの子供なりの血良さを感じさせる彼女の目の輝きに引かれずにいられない。
 また、精神を病む青年イヴォンを演じたバンジャマン・ラモンが、いかにもそれらしいオドオドした演技の中にも好感が持てる青年だ。作品の原題“JE M'APPELLE ELISABETH”は英語にすると“CALL ME ELISABETH”で、これはラストでベティが両親に向かって言う台詞なのだが、彼女がなぜ自分を「エリザベスと呼んで」と要望するのかが今ひとつわからなかった。