評     価  

 
       
File No. 0838  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2008年10月04日  
       
製  作  国   アメリカ / スペイン  
       
監      督   ミロス・フォアマン  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   それは、立ち入り禁止の、愛。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ハビエル・バルデム [as ロレンソ神父]
ナタリー・ポートマン [as イネス・ビルバトゥア/アリシア]
ステラン・スカルスガルド [as フランシスコ・デ・ゴヤ]
ランディ・クエイド [as 国王カルロス4世]
ミシェル・ロンズデール [as 異端審問所長]
ホセ・ルイス・ゴメス [as トマス・ビルバトゥア]
マベル・リベラ [as マリ・イサベル・ビルバトゥア]
 
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あ ら す じ    18世紀末のマドリード。国王カルロス4世の宮廷画家フランシスコ・デ・ゴヤは、友人である裕福な商人トマス・ビルバトゥアの美しい娘イネスの肖像がを描いていた。ある日ゴヤは、彼のアトリエを訪れたキリスト教異端審問官のロレンソ神父から、肖像画を描くよう依頼される。そして、ロレンソ神父はその時にイネスの肖像画を見て、その美しさに心を惹かれるのだった。
 突然、イネスが異端審問所から出頭命令を受ける。理由は、居酒屋で豚肉を嫌ったためにユダヤ教徒であると疑われたためだった。そして、イネスは審問所で厳しい拷問を受ける。一方、審問所に呼び出されたまま戻らないイネスを案じて、トマスはゴヤを経由してロレンソにイネスの釈放を依頼した。ところが、牢につながれたイネスを慰めていたロレンソは、ついに欲望を抑え切れず、彼女を抱いてしまう。イネスが戻らないことにしびれを切らしたトマスは、国王カルロス4世に直訴するが、ロレンソは国外へ逃亡してしまうのだった。
 やがて時代は大きな転換期を迎える。フランスでは革命が起こりルイ16世とマリー・アントワネットが断頭台に散り、代わってナポレオンが台頭する。そして、ナポレオンの勢力はスペインにも及び、異端審問が廃止されて囚われの身だった人々がついに解放された。その中にはイネスも含まれており、15年のの年月を経てイネスと再会したゴヤは、半ば精神に異常を来した彼女の口から驚くべき事実を告げられる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2007年のアカデミー賞で助演男優賞を受賞した旬の役者ハビエル・バルデムの主演作。もっとも、この作品は『ノーカントリー』よりも以前に制作されているのだが。そして私はてっきりゴヤを演じるのが彼だと思っていたのだが、実はこの作品はハビエル・バルデム扮する異端審問官である一神父と、ナタリー・ポートマン扮する美しい一人の女性の物語であって、ゴヤは主役ではなく狂言回しという役回りに徹している。
 それにしても、『ノーカントリー』といいこの作品といい、ハビエル・バルデムってあのルックスのせいもあってか曲者が似合っている。年齢は違うが、イギリスの俳優アラン・リックマンと同じようなタイプの俳優だと思う。そして、この作品で彼を上回るインパクトがあったのは、ほかならないナタリー・ポートマンだ。いつも通り、いかにも「私は美人なのよ」と言わんばかりのイネスを演じたかと思えば、一転して異端の罪に問われて牢に繋がれ見るも無惨な姿に変わる。その落差に、彼女の役者にかける思いが並々ならないものだと伝わってくるような気がする。