評     価  

 
       
File No. 0850  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年10月25日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   曽利 文彦  
       
上 映 時 間   000分  
       
公開時コピー   愛が見えたら、きっと泣く。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   綾瀬 はるか [as 市]
大沢 たかお [as 藤平十馬]
中村 獅童 [as 万鬼]
窪塚 洋介 [as 虎次]
柄本 明 [as 長兵衛]
竹内 力 [as 伊蔵]
利重 剛 [as 喜八]
佐田 真由美 [as 美津]
島 綾佑 [as 小太郎]
杉本 哲太 [as 盲目の男]
横山 めぐみ [as 十馬の母]
渡辺 えり [as お浜]
 
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あ ら す じ    瞽女と呼ばれる盲目の女芸人は、他人と関わり合うことを極度に恐れていた。自分と同じ盲目の女美津が男達に暴力をふるわれていても、素知らぬ顔で助けを呼ぼうとすらしなかった。偶然に通りかかった侍藤平十馬は、男たちを止めに入ったがなぜか刀を抜くことができなかった。男たちは十馬に斬りかかってくるが、市は仕込み杖から抜いた刀で男たちを次々と一刀のもとに斬り捨てていくのだった。
 2人はとある宿場町にたどり着き、十馬は町の賭場で一儲けしようとするが、負けが続いて有り金すべてを失いそうになる。文無し寸前の十馬を救ったのは市で、彼女の言う通りに賭けた十馬はあっという間に大金を手にして賭場を後にするのだが、負けた男たちがこれに難癖をつけてきた。彼らは、かつて幕府の指南役に推挙されるほどの剣の使い手万鬼を頭目とする無法者の集団“万鬼党”の一員で、5人の万鬼党員に囲まれた十馬はやはりここでも刀を抜くことができなかった。やむなく刀を抜いた市は、5人の万鬼党員を一瞬で斬り捨てるのだが、これがきっかけで事態は妙な方向へと向かっていく。町を仕切る白河組の二代目虎次が万鬼党の5人を倒したのは十馬だと勘違いしてしまい、あろうことか刀を抜けない十馬を対・万鬼党の用心棒として雇い入れたのだった。
 一方、万鬼は市に斬られた手下の傷跡を見て、かつて彼が剣を交えた逆手居合い斬りの達人の技だと知る。そして、万鬼党は町を襲撃し、手下を斬った白河組の用心棒・十馬を連れ去ろうとする。逆手居合い斬りの男を探していた市は、万鬼から男の話を聞き出すために自分が逆手居合い斬りの使い手であることを明かし、敢えて囚われの身となって万鬼の元へと向かうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    主役が綾瀬はるかであるというひいき目を抜きにしても、結構面白かった。もちろん、お気に入りの綾瀬はるかの演技も良かったのだが、それ以外で目を引いたのは中村獅童と窪塚洋介だ。まずは、中村獅童扮するキレまくった万鬼が凄い。あの甲高い笑いからは狂気すら感じられ、「コイツ、本当にイッちゃってるんじゃないの?」と勘ぐりたくなるほどで、背筋に悪寒が走ってしまった。また、あの事件以来初めて観た窪塚洋介も、私は彼に対して粘着質な性格の持ち主だと思っているが、それとは正反対の一本気な虎次を好演していて、少しだけ見直した。余談だが、万鬼の子分である伊蔵を演じた竹内力、完璧に『次郎長三国志』の三馬政とキャラがダブっていて、ついつい中井貴一が登場しそうな、そんな錯覚を覚えた(笑)。
 殺陣については、注文を付けたい気持ちはある。なんせ、綾瀬はるか扮する市にかかってくる相手が皆、思い切り刀を振り上げて懐が完全に無防備でかかってくるから、あれでは斬ってくれと言っているようなもの。とは言え、それも市の刀捌きを見事に見せるためだと思えば許容範囲内だろう。事実、スローモーションで映される市が敵を斬るシーンは実にリアルで、そこに美しささえ感じてしまうのは・・・・・やっぱり綾瀬はるかだからなんだろうな(笑)。やっぱり、干物女も悪くないが、彼女はこういった影のある役柄を演じるとより美しく見えてしまう・・・・・って、思い切り私情が絡みまくってるな。