評     価  

 
       
File No. 0862  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年11月08日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーセル・ランゲネッガー  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   選ばれたエグゼクティブだけが集う秘密クラブ。
導くのはエリート弁護士、ハマったのは孤独な男。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ヒュー・ジャックマン [as ワイアット・ボーズ/ジェイミー・ゲッツ]
ユアン・マクレガー [as ジョナサン・マコーリー]
ミシェル・ウィリアムズ [as S]
リサ・ゲイ・ハミルトン [as ルッソ刑事]
マギー・Q [as ティナ]
シャーロット・ランプリング [as ウォール街の美女]
ナターシャ・ヘンストリッジ
ブルース・アルトマン
 
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あ ら す じ    真面目だけが取り柄の会計士ジョナサン・マコーリーには友人もなく、仕事場と家を往復するだけの単調な生活を送っていた。そんな彼は、監査員として派遣された大手法律事務所で見るからにやり手の弁護士ワイアット・ボーズと知り合い友人付き合いが始まる。抜群のルックスとユーモア、高級スーツに身を包んだワイアットのような友人ができてジョナサンの単調な毎日に変化が起きた。そしてある日、ワイアットとジョナサンがランチをして別れる時、ワイアットがジョナサンの携帯を持ち帰ってしまい、ジョナサンもそのことに気づかずにワイアットの携帯を手にして帰ったが、このことがジョナサンの運命を大きく変えることとなった。
 その夜、ジョナサンが一人で仕事を片づけていると、携帯が鳴る。出てみると相手は女性で「Are You Free Tonight?」と尋ねてくる。暇だとジョナサンが答えると、一方的にホテルを指定して電話は切れてしまった。ワイアットの携帯には、エグゼクティブだけの会員制秘密クラブ“リスト”の会員ナンバーが登録されていたのだ。指定されたホテルに向かったジョナサンは、そこで魅力的な女性と一夜限りの関係を持つのだった。翌日、ワイアットに携帯を取り違えたことを連絡すると、ワイアットはジョナサンがワイアットの携帯を使って“リスト”の女性に会ったことはお見通しで、それを咎めるどころかもっと楽しめと後押しをするのだった。
 こうしてジョナサンは“リスト”で女性と関係を結ぶことにはまっていくが、ある日転機が訪れる。彼が地下鉄のホームで一言だけ言葉を交わして一目惚れしてしまった女性と“リスト”で再会したのだ。名前が“S”で始まること以外何もわからない彼女に、本気で恋に落ちたジョナサン。しかし2度目に彼女と“リスト”で会った時、彼女は「巻き込みたくない」と謎の言葉を残して、ホテルから消えてしまう。ジョナサンはワイアットに連絡を取ろうと試みるが、携帯は繋がらず、ワイアットの法律事務所へ行くとワイアットという弁護士は存在しないことがわかり、ワイアットにはめられたことに気づく。そして、そのワイアットからジョナサンに、あることを条件に“S”を返すと連絡が入る・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    主演のヒュー・ジャックマンが自らプロデュースした作品。それにしてもヒュー・ジャックマンという役者、『X-MEN』のウルヴァリンのような粗野な男が似合うと思えば、『ニューヨークの恋人』やこの作品のように、貴族やエグゼクティブといった品のある役がまたピッタリだ。気品や品格というものはその人が持って生まれた資質であって、演技でカバーできるようなものではないと思うのだが、彼にはそれが備わっているようだ。そして、対するジョナサンに扮するユアン・マクレガーが、冴えない真面目男を好演している。また、ワイアットとジョナサンの板挟みになる“S”を演じたミシェル・ウィリアムズ(若い頃のエマニュエル・ベアールにちょっと似ている気もする)が、異彩を放っているのが目を引く。
 およそ人と人が付き合うとき、双方共にその相手から何らかの得るものがなければ交際は成立しない。そして、ワイアットとジョナサンの場合、一見すればワイアットが一方的にジョナサンに与えているように見えのだが、そういう場合には裏では必ず投資を上回る何らかの利益が動いているもので、その時点でワイアットがただ者ではないことは想像がつく。また、アパートの爆破でジョナサンがどうなったのかも、うすうす察しがついてしまう。サスペンスとして、欲を言えばもう一ひねり欲しかった。ラスト・シーンで、“S”とジョナサンの目が合って“S”が微笑むのが印象的で、その後ジョナサンは彼女に歩み寄って彼女はそれを待っていたのか、あるいはどこかへ逃げ去ってしまったのか?余韻を残す終わり方だった。