評     価  

 
       
File No. 0869  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年11月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ミカエル・ハフストローム  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   この部屋はあなたのココロを破壊する  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジョン・キューザック [as マイク・エンズリン]
サミュエル・L・ジャクソン [as ジェラルド・オリン]
メアリー・マコーマック [as リリー・エンズリン]
ジャスミン・ジェシカ・アンソニー [as ケーティ・エンズリン]
 
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あ ら す じ    作家のマイク・エンズリンは、かつては人の心を動かす小説を執筆していたが、娘ケーティの死を境に小説を辞め、今は全米各地の幽霊など超常現象の噂の真相をルポするオカルト作品を書いていた。そして、一度たりとも幽霊などには遭遇したことがない彼は、その手の超常現象を客寄せの手段と決めつけ、実在するはずがないというシニカルな信念を持っていた。
 ある日、彼宛に“ドルフィンホテル”から一枚の葉書が届く。葉書には「絶対に1408号室に入るな」という謎めいた言葉が書かれているだけだった。興味を覚えたマイクは早速下調べをし、1408号室に56人の客全員が自殺を遂げているという事実を知る。マイクはその真相を確かめるために“ドルフィンホテル”の1408号室に泊まる決意をし、ニューヨークへと向かうのだった。
 ホテルのフロントで1408号室の宿泊を要求するマイクの対応に現れたのは、ホテルの支配人ジェラルド・オリンだった。執拗に1408号室への宿泊を要求するマイクを諦めさせるため、オリンは56名の自殺者の他にさらに22名が自然死を遂げていること、部屋に10分だけ閉じこめられたメイドに異変が起きたこと、1時間持ちこたえた人間がいないことなどを説明するが、マイクは耳を貸そうとせず強引に1408号室の鍵を受け取って部屋に入った。果たして、そこで彼を待ち受けていたものは・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    スティーヴン・キング最大のヒット作らしいが・・・・・個人的には、『ミスト』や『痩せゆく男』の方が好きだな。確かに、実際には何も起きていないのに恐怖を表現するジョン・キューザックの演技は見事だと思うが、どうも今までのステューヴン・キングが得意とする「恐怖」の表現とは毛色が違うように思える。
 それほど多くは観ていない彼の作品の中で、私がもっとも怖いと感じたのは前述の『痩せゆく男』で、そこにはインディアンの魔術は登場するもののそれ以外は何ら特異な設定もなく、ただただ人間の奥底に潜む狂気や絶望といった本質をえぐり出すことで恐怖感を演出しているのが気に入っていた。それに比べるとこの作品はまさに超常現象のオンパレードで、おそらくそれはジョン・キューザック扮するマイクの深層心理に潜む潜在意識を具現化しているのだろうが、それが超常現象という「形」を伴って現れた時点で怖さが薄れてしまう。私もマイクと同様に自分の目で見た物以外は信じない、超常現象などは存在しないと決めつけてかかっているためにそう感じるのだろう。
 そうは言うものの、こういうオチだったかと思わせておいて、実はまだ恐怖は終わっていなかったというトリッキーな脚本は見事で、観る者はホッと一安心させられたのも束の間再び元の状況に連れ戻されるという構成は、観客もマイクの感じた絶望を共有することになり効果が大きい。単なる有象無象のホラー作品とは一線を画する作品であることは確かなようだ。