評     価  

 
       
File No. 0871  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年11月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ベン・スティラー  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   ロケ地が戦場!?豪華ハリウッド・スター共演の爆笑サバイバル・コメディ!  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ベン・スティラー [as タグ・スピードマン]
ジャック・ブラック [as ジェフ・ポートノイ]
ロバート・ダウニー・Jr [as カーク・ラザラス]
ブランドン・T・ジャクソン [as アルパ・チーノ]
ジェイ・バルチェル [as ケヴィン・サンダスキー]
ダニー・マクブライド [as コディ]
スティーヴ・クーガン [as デミアン・コックバーン]
ビル・ヘイダー [as ロブ・スロロム]
ニック・ノルティ [as ジョン・“フォリーブ”・テイバック]
ブランドン・スー・フー [as トラン]
レジー・リー [as ビョング]
マシュー・マコノヒー
トム・クルーズ
 
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あ ら す じ    落ち目のアクション・スターのタグ・スピードマンは、主演のアクション作のシリーズが打ちきりとなり、アカデミー賞をねらった『シンプル・ジャック』でも史上最悪の酷評を受け、ベトナム戦争の最前線で英雄的な伝説を残したジョン・“フォリーフ”・テイバックの回顧録『トロピック・サンダー』の映画化に起死回生のチャンスを狙っていた。
 下ネタ主義のコメディ俳優ジェフ・ポートノイは、コメディ・シリーズの『ザ・ファッティーズ』で人気を博していたものの、単におならをかまして笑いを取るという芸風からの脱却を図るべく、新たな芸風の作品への出演を考えており、『トロピック・サンダー』への出演を決意する。
 同じく『トロピック・サンダー』への出演が決まった、アカデミー主演男優賞を5度受賞という輝かしい経歴を誇る演技派カーク・ラザラスは、完璧に役になりきってしまうという定評があり、今回も黒人軍曹役に挑むために皮膚を黒くする手術まで受けるという徹底ぶりだった。
 ところが、作品の撮影はトラブル続きでクランクインから僅か5日で制作費は予算オーバーし、スポンサーからは制作を打ち切ると脅されてしまう。そこで、監督のデミアン・コックバーンは原作者であるテイバックの提案を受け、よりリアリティのある映像を撮るために、俳優たちを東南アジアのジャングルへと送り込んで撮影することを決意する。
 タグ、ジェフ、カークら5名の俳優たちはヘリでジャングルに着くや否や携帯電話を没収され、ジャングルの至る所にカメラが仕掛けてあると告げられる。ヘリは5人と監督のデミアンを残して飛び去ってしまうが、その後すぐにデミアンが爆死するという事故が起きる。タグはそれすら撮影の一部と信じて疑わないが、彼以外の者にとってはそれが撮影などではないことは明らかだった。あろうことか、彼らが連れてこられたジャングルは、凶悪な麻薬組織が支配する「黄金の三角地帯」と呼ばれる危険この上ない場所だったのだ・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ベン・スティラーがプロデュース、監督、脚本、主役の4役をこなした作品。彼のことだからちょっとお下劣な笑いのセンスは相変わらずで、手放しに褒めるわけにはいかないが、それでもそこそこ笑って楽しめる作品だった。冒頭でダグ、ジェフ、カークそれぞれの主演作品の予告編を流すのが面白い。また、随所に他の戦争映画のパロディがちりばめられているらしく、私は戦争映画はあまり好んでは観ないので『プラトーン』以外はわからなかったのだが、冒頭とラストで二度も繰り返されたひざまずいて両手を拡げ天を仰ぐあのポーズだけでも笑わずにはいられなかった。
 それにしても、ジャック・ブラックはともかく、こういう作品のイメージがないロバート・ダウニー・Jrには驚かされた。作品中の設定でも「役に徹底するあまり皮膚の色まで変えた」とあったが、作品中のキャラクターを地でいくような変貌ぶりには目を見張った。そうそう、変貌ぶりと言えば、さらに驚かされたのがトム・クルーズだ。残念ながらオフィシャルサイトの画像にも彼が写っているものはないのだが、あのプライドの高そうなトムがあんなメイクで登場するとは、まさに想像を絶する。実は、彼がどういうキャラクターでこの作品に出演しているかは事前に知っていたのだが、いざ観てみるとそのことを思い出させる余地もないほどトムの面影など微塵もなく、エンド・クレジットを観てやっとそのことを思い出した次第だ。
 また、残念なのはいつものジャック・ブラックの強烈なアクの強さが見られず、ベン・スティラーとロバート・ダウニー・Jrの怪演の陰に隠れてしまっているように感じたことだ。下ネタ主義のコメディアンという設定のわりには、戦場では肝心の下ネタもなくただのジャンキーでしかないし。せっかくの3人の共演なのだから、それぞれの持ち味を充分に発揮しなければもったいない。