評     価  

 
       
File No. 0877  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年11月22日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   廣木 隆一  
       
上 映 時 間   90分  
       
公開時コピー   たとえ世界が暗闇になったとしても、愛の記憶があれば生きていける  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   大政 絢 [as 津木野ユリ]
佐野 和真 [as 秋山和博]
山田 キヌヲ [as 妹尾ミキ]
竹財 輝之助 [as クォン]
 
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あ ら す じ    フェリーの乗船窓口で働く津木野ユリは、いつも左目に眼帯をしていて、人のいる場所では決してそれをはずさなかった。彼女の左目は既に視力を失っており、それは彼女にとって幼馴染みであり同時にかけがえのない恋人でもある秋山和博の命を救った代償だった。ユリには、時間を好きな時に戻せるという特殊な能力があり、バイクの事故で命を落とした秋山を助けるために時間を戻したのだ。だが、左目の視力を失うのみならず事故が起きるまでの秋山の記憶がすべて失われるという、あまりにも大きな代償を払っていたのだった。そして、当の秋山はユリに助けられたことはおろか、彼女が自分の恋人であったことすら全く覚えていなかった。
 秋山に彼女との結婚話が持ち上がり、照れくさそうにユリにその話をする秋山。秋山の話にただ笑って応えるしか術を持たないユリだったが、そんなユリの気持ちに変化をもたらす事件が起きる。訪問者を装ってユリの家に押し入った男クォンが、ユリをナイフで脅迫して彼女の家に立て籠もったのだ。しかし、クォンは片脚に深手を負っており、しかも自分と同じような特殊な能力を持っていることを知ったユリは、自ら進んで彼をかくまうようになる。そして、クォンもまたユリが自分と同じような境遇であることに共感を覚え、やがて2人は互いに惹かれ合っていく。
 2人にとって今までにない穏やかな日々が訪れるが、それも長くは続かなかった。新たな闖入者妹尾ミキの訪れによって、事態は思わぬ方向へと急展開する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    BS-iのドラマシリーズ『恋する日曜日 ニュータイプ』の映画版で、主演の大政絢はシリーズの準レギュラーだったらしい。感想はというと、一言で言えば「とにかく痛い」。何が痛いかって、主人公ユリのあまりの自虐性がたまらなく痛い。例えて言うなら、乙一原作の『KIDS』で小池徹平扮する主人公アサトが、事故現場で自らの体を顧みずに怪我人の傷を次から次へと自分に移していったのに通じるものがある。さらには、かつては恋人だった和博の結婚話を聞かされ、それに笑って祝福するユリの心中を察するとさらに痛い。
 とにかく静かに淡々と進行する作品で、ストーリーにも意外性はなく、非常にシンプルに作られているという印象が強い。実を言うと、すでに座席の予約をネットで購入していたにもかかわらず、映画を見るための必需品である眼鏡を忘れたために、登場人物の細かい表情までを見てとることができなかった。そのために、余計に淡々としているように感じたということは言える気がする。これが洋画だったら、字幕を読むことができないために完璧アウトだった。この手の作品はどちらかといえば好みのタイプに属するのだが、再度眼鏡をちゃんと用意してまで見るほどの作品ではなかったように思える。