評     価  

 
       
File No. 0880  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年12月05日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アンドリュー・スタントン  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー  
それは、700年の孤独が生んだ《奇跡》
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
(声の出演)
  ベン・バート [as ウォーリー]
エリサ・ナイト [as イヴ]
ジェフ・ガーリン
フレッド・ウィラード
ジョン・ラッツェンバーガー
キャシー・ナジミー
シガーニー・ウィーヴァー
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    29世紀。ゴミだらけになって類に見捨てられた地球に700年もの間たった一人で仕事を続けるゴミ処理ロボットのウォーリー。回路のトラブルの影響で、感情を持つようになったウォーリーは、いつの日か誰かと手をつなぐことを夢見ていた。
 そんなある日ウォーリーの目の前に宇宙船が着陸し、そこから現れたのは彼が今まで観たこともないようなピカピカの体のロボットイヴだった。それは、ウォーリーにとって700年の間待ちに待った出会いだった。恐る恐るイヴに近づいたウォーリーは、ついにイヴと言葉を交わす。どうやら彼女に敵意はない様子で、すぐにウォーリーとイヴは仲良くなる。
 ウォーリーはイヴを自分が暮らしている倉庫に案内し、彼がゴミの山の中から見つけた植物をイヴに見せた。すると、イヴはそれを自分の体の中に入れたかと思うと、突然動かなくなってしまった。そして、イヴを連れてきた宇宙船が再び訪れ、イヴを連れて帰ろうとする。ウォーリーはイブを連れ戻すため、宇宙船にしがみついたまま宇宙へと飛び出すのだった。
 宇宙船が着いた先、そこはかつて地球から逃れるために人類が作った巨大な宇宙船アクシオン号で、人類はそこで700年もの間生き延びていた。そして、イヴはある使命を課せられて地球に派遣されたロボットだったのだ。果たして、イヴに課せられた使命とは?そして、ウォーリーはイヴを連れて無事地球に戻れるのだろうか?
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    あれだけ毎回毎回予告編を見せつけられては、誰でも観に行かなきゃって気にさせられてしまう・・・・・というわけで、公開2日目日曜のレイトショーに行って来た。結論から言うと、これが我を忘れて観入るほど面白かった。個人的には『ファインディング・ニモ』よりもこの『ウォーリー』の方が断然上で、ピクサーアニメの最高峰と言ってもいいと思う。
 前半はとにかく台詞がなくひたすらウォーリーの日常の描写に終始するが、下手をすれば退屈のあまり眠気を誘いかねないところを、微笑ましいウォーリーの仕草が観ている者を飽きさせない。夜になったら手足や首を引っ込めて、直方体の箱になって棚で休むなど、細かいところまでしっかり作られている。
 そして、イヴの登場でいよいよ本筋に入るわけだが、ここで観る前からずっと抱えていた一つの疑問が解消された。予告編の最後にウォーリーがイヴの名前を叫ぶのだが、それがどうしても「イヴ」ではなく「イバ〜」にしか聞こえなかったのだ。それは決して聞き間違えではなく、ウォーリーはイヴの名前を正しく発音できず「イヴァ」と呼んでいたのだ。それはともかく、ピカピカの体に黒い顔、唯一心の動き(ロボットに心があるならばだが)を表しているのが彼女の青い目で、その目の形だけで実に巧みに彼女の気持ちを知ることができる。それはウォーリーも同様で、彼の場合は両目の角度で寂しさや悲しさを微妙に表現している。
 不思議なもので、観ているうちにウォーリーやイヴがロボットではなく、1個の生き物であるかのような感覚にとらわれ、自然と彼らに対する愛着がわいてくる。当然の事ながらラストはハッピー・エンドだし、大人から子供まで揃って楽しめる作品に仕上がっている。もしも公開が1ヶ月早ければ、果たして『レッドクリフ』との一騎打ちはどちらに軍配が上がっただろうか?