評     価  

 
       
File No. 0884  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年12月19日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スコット・デリクソン  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   人類が滅亡すれば、地球は生き残れる。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   キアヌ・リーヴス [as クラトゥ]
ジェニファー・コネリー [as ヘレン]
ジェイデン・スミス [as ジェイコブ]
キャシー・ベイツ [as 国防長官]
ジョン・ハム
ジョン・クリーズ
カイル・チャンドラー
ロバート・ネッパー
 
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あ ら す じ    宇宙生物学者のヘレンはある日、なき夫の連れ子ジェイコブとの夕食を準備しているさなか、正体不明の男からの電話で強制的に招集される。そこに集まっていたのは、各分野の権威である学者たちだった。そして、ヘレンたち集められ者たちに対する驚くべき理由が説明されるのだった。
 政府の説明によると、発見当時の軌道では地球の遙か上空を通過すると計算されていた巨大な飛行物体が、急に軌道を変えて近づきつつあるという。その大きさと速度からすると、それが衝突すれば地球は微塵に砕け散ってしまうとのことで、ヘレンたちはその対策のために集められたのだった。結論はすぐに出て、政府は早速ミサイルをはじめとする物体への迎撃の準備に入る。しかし、なぜか防衛網は全く機能せずに物体は難なく大気圏へと突入し、やがてそれは肉眼でも確認できるまでに迫っていた。
 地球と物体との衝突は避けられないと誰もが覚悟した中、物体は急激に減速して静かにセントラルパークに着陸した。そして、その中から現れたのは巨大な人型をしたロボットのような物体と、人間の姿をした異星人だった。異星人に向かって一斉に射撃が行われ、重傷を負った異星人に対して軍の施設で救命措置が施されることになった。
 手術が行われた異星人はクラトゥと名乗り、言葉が通じるだけでなく、体の構成がDNA構造まで地球人と全く同じで、しかも驚くべき早さで傷が回復していった。翌日にはクラトゥに対する尋問が行われたが、彼は特殊な能力を使い拘束を逃れ施設から姿を消してしまう。彼は協力者として選んだヘレンに接触し、驚くべき事実を告げる。彼らは人類によって滅亡へと向かっている地球を救うために、人類を地球上から抹殺するために訪れたとのだった。そして、それはクラトゥが殺されようとも確実に遂行されるという。ヘレンは人類を救うべく必死でクラトゥを説得しようと試みるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「この冬一番の大作」という触れ込みだったが、確かに途中までは壮大なスケールで描かれ期待も膨らんだ。なのに、ラストのあの結末は・・・・・それに、尺が104分とあまりにも短いように思える。そうは言うものの、実はこの作品は1951年に制作された『地球の静止する日』のリメイク版らしく、その当時の作品であるならばこのようなストーリーも致し方ないかと納得できるのだが。
 こういう役柄はキアヌに似合っている。オリジナル版でのクラトゥは笑顔を絶やさない好人物だったらしいが、このリメイク版のキアヌは終始しかめっ面で感情の抑揚を感じさせない。ただ、所々で人類の見せる意外な一面に少しずつクラトゥが心を動かされていく様子は読み取れ、それはひとえにキアヌの演技の賜であることは確かだ。そして、過去に何度か「不ツーのオバサンになってしまって残念」と書いた記憶のあるジェニファー・コネリーだが、この作品を観て完璧に前言撤回。やっぱり彼女は群を抜く美人であることを再確認した。そして、そのジェニファーの子供が驚くほど可愛く感じられず、完璧に邪魔者に感じてしまった。
 それにしても、この作品の異星人は侵略目的ではなく、人類による破壊から「地球を守る」ために訪れるわけだが、果たしてあんなに簡単に撤収してしまっていいものか、逆に心配になる。確かに、ジェニファー扮するヘレンの訴えは嘘のない切実なものであることは確かだが、彼女以外の人間は何故異星人が地球を去っていったのか理由も知らず、やがて未曾有の出来事すら一過性の熱病のように忘れ去ってしまうのだ。あんなやり方ではハッキリ言って手ぬるい、もっと全人類が思い知らされるような警告を与えなければ、人類は自ら変わろうとなどは思わないだろう。人類とは、残念ながら自分以外の物に関しては無頓着で傲慢な生き物であるのだから。