評     価  

 
       
File No. 0892  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年12月27日  
       
製  作  国   ベルギー / ルクセンブルク / フランス  
       
監      督   マブルク・エル・メクリ  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   ハリウッドが誇る、最強のアクション・スター。
今やどん底、ついに強盗!?
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジャン=クロード・ヴァン・ダム [as JCVD]
フランソワ・ダミアン [as ブルージュ警部]
ジネディーヌ・スアレム [as 気の短い男]
カリム・ベルカドラ [as ガードマン]
 
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あ ら す じ    メジャーからの大作への出演依頼もなく従って収入もなし、娘の親権をめぐって妻とは裁判で係争中だが勝ち目はなし・・・・・それが、かつてのハリウッド・アクション・スター、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの落ちぶれた姿だった。彼は喧噪を逃れて故郷であるブリュッセルに訪れていた。
 彼はタクシーを待たせて、彼と話をしたがるファンには「5分待って」と言い残し、いそいそと郵便局へと向かった。彼の担当弁護士が即刻弁護費用を払わなければ弁護を降りると通告してきたために、前払いしてもらったギャラを弁護士に振り込まなければならなかったのだのだ。ところが、ヴァン・ダムが入っていって間もなく郵便局で銃声が響き渡り、彼が待たせていたタクシーの窓ガラスを撃ち砕いた。
 事態は警察に通報され、やって来たブルージュ警部は、早速郵便局へと電話をかける。すると、電話にでたのはヴァン・ダムだった。彼の言うには、怪我人が一人いるが、誰一人外へ解放することは出来ないという。警部はヴァン・ダムが主犯と考え、早速彼の説得を開始するのだが・・・・。
 
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たぴおか的コメント    いや〜、予想以上に面白かったね、これは。ヴァン・ダムがヴァン・ダムを演じる、それも今や落ち目の八方ふさがりとは、その自虐的なまでのコミカルさがたまらないね。この作品の存在を知って、「そう言えば一時期はハリウッドをアクションで席捲したヴァン・ダムって、いつの間にかスクリーンで見なくなったなぁ」と思い出した、それほど私の中では存在感のない彼だった。そのため、彼の作品はビデオでは観たものの、劇場の大スクリーンで観たことは一度もなく、今回が劇場での初お目見えとなったわけだ。
 とにかくこの作品の中でのヴァン・ダムは弱い(笑)。私生活では娘の親権をめぐって裁判沙汰、弁護士を雇う金もなく、せっかくの出演のオファーはスティーヴン・セガールに取られてしまうという、どこまでが真実でどこまでがフィクションなの知る由もないが、そんなヴァン・ダムに親しみを覚える。そして、クライマックスではついに今まで押さえてきた鬱憤を晴らすかのようなアクションを見せてくれるが、これが実に滑稽で笑える。そして、さらに爆笑してしまうのがそのすぐ次のシーンで・・・・・これ以上はネタバレになるから伏せておくが、ただこれだけは言えると思う。この作品はジャン=クロード・ヴァン・ダムの主演作中で、おそらくは最高傑作になるのではないだろうか。私のように彼のファンでなくとも、往年の彼を知る者であればその落ち目ぶりに悲哀を感じつつも笑ってしまうこと請け合いだ。