原題の“CSAK SZEX ES MAS SEMMI”とは、英語では“JUST SEX AND NOTHING ELSE”となり、直訳すれば「セックスだけ、あとは何もナシ」。そして、これに付けられた邦題が『反恋愛主義』とは、珍しく原題のイメージを損なわないのに加えて、センスも悪くない実に「言い得て妙」なタイトルだ。
内容はいわゆる“アラサー”世代の女性を描いた軽妙なタッチの恋愛コメディ。主人公のドラを演じるユーディト・シェルの魅力はもちろんのこと、登場する女性が皆美人に見えるのは、美人の産地とも言うべき東欧ハンガリーというお国柄のためか。やはり、ヒロインが美人である方がより作品に対する興味も湧くものだと、『ブロークン・イングリッシュ』とこの作品を比較して痛切に感じる(笑)。そして、美しい女性陣に対しする男性陣が、これでもかと言わんばかりに強烈なキャラクターなのが観ていて飽きない。いかにもプレイボーイを地でいくようなタマス、優しくて唯一まともなキャラとも言えるピーター、肉体派で優しく繊細だが残念ながら知性が感じられないアリ。特に、アリの言動はちょっとキモいものの、お茶目で笑える。