評     価  

 
       
File No. 0898  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ギレルモ・デル・トロ  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   地獄生まれの正義のヒーロー
魔界最強の敵に挑む!!
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ロン・パールマン [as ヘルボーイ]
セルマ・ブレア [as リズ・シャーマン]
ダグ・ジョーンズ [as エイブラハム・サピエン]
ジェフリー・タンバー [as トム・マニング]
ルーク・ゴス [as ヌアダ王子]
アンナ・ウォルトン [as ヌアラ王女]
ジョン・ハート [as トレヴァー・“ブルーム”・ブルッテンホルム教授]
ジョン・アレクサンダー [as ヨハン・クラウス]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    1955年。ブルーム教授のもと米軍基地の施設で暮らしていたヘルボーイは、ある夜教授から“ゴールデン・アーミー”の物語を聞かされる。遙か昔地球の支配者たらんとする人間と戦うエルフの国王は、ゴブリンの鍛冶師に鋼の無敵兵士団“ゴールデン・アーミー”を造らせた。しかし、その恐るべき戦闘力を見た王はこれを造らせたことを悔やみ、人間との休戦を決意した。そして、“ゴールデン・アーミー”を操る力を持つ王冠を3つに分け、その2つはヌアダ王子ヌアラ王女が、残りの1つは人間がそれぞれ持つこととなったという。
 超常現象捜査防衛局“BPRD”のエージェントとして、水棲人のエイブラハム・サピエン(通称エイブ)や念動発火能力を持つリズ・シャーマンとのチームで怪事件の解決に当たっていたヘルボーイは、ある日マンハッタンのオークション会場襲撃事件を解決する際、あろうことかその姿をテレビで報道されてしまう。そしてこれをきっかけに、“BPRD”内では新たにヨハン・クラウスという上司が彼らを監督することとなる。そして、クラウスの着任早々に彼らは大きな事件に巻き込まれるのだった。
 オークション会場を襲ったのは、かつて人間と停戦したはずのエルフのヌアダ王子で、オークションにかけられたゴールデン・アーミーを操る王冠の破片の一つを手に入れるためだった。彼はゴールデン・アーミーを復活させて人間を抹殺し、絶滅寸前のエルフ族による地球の支配を目論んでいたのだった。そして、ヌアダはこれに反対した王をも殺害して2つ目の破片を手に入れるが、3つ目の破片はゴールデン・アーミーの復活を恐れた父の意を受けたヌアラ王女が持ち去っていた。そして、襲撃事件の手がかりを追っていたヘルボーイたちと、地下世界にあるトロールの市場で遭遇した。ヘルボーイはヌアラを追ってきた怪物ウインクを倒して王女を助けるが、ゴールデン・アーミーの復活に執念を燃やす王子の魔手は、ついに王女をかくまう“BPRD”本部にまで及ぶのだった・・・・・
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    正直、これがヘルボーイを主人公に描かれたシリーズ2作目だとは直前まで知らなかった。そして、もちろん作品の原作がアメコミであったことも。まぁ、それはどうでもいいのだが、あの『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督作とあって、全編が現実とも夢ともつかない不思議な雰囲気に包まれた作品。特に、“歯の妖精”は『パンズ・ラビリンス』に登場する妖精に通じるものがあるし、水棲人のエイブは掌に目がある怪物と造形が似ているように思える。そしてその内容はというと、私にはどうしても『X-MEN』や『ファンタスティック・フォー』とダブる気がして仕方ない。日本で公開される映画だけでも年間数百本もあるからには、何らかの似た作品があるのはやむを得ないとも言えるのだが。
 私はこの手のファンタジー色が濃い作品は好きだし、またコミカルな味付けがされているのも気に入った。特に、レッド(ヘルボーイ)がクラウスのエクトプラズムが操るロッカーの扉に袋だたきに遭うシーンには笑わせてもらった。ただ、基調が正義のヒーロー(=ヘルボーイ)VS悪(=ヌアダ王子)という単純な図式に収まってしまうのはちょっと残念。登場するキャラクターが型破りなのだから、ストーリーもそれにふさわしい奇想天外な展開にしてもらいたかった。それが許されるのが幻想的なファンタジーというジャンルなのだから。