評     価  

 
       
File No. 0903  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月17日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   金子 修介  
       
上 映 時 間   126分  
       
公開時コピー   過激(カゲキ)なふたり、歌劇(カゲキ)なバトル  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ステファニー [as 麻見史緒]
満島 ひかり [as 緑川萌]
渡辺 大 [as 池之端蘭丸]
高島 礼子 [as 池之端菜都子]
及川 光博 [as 神野隆]
由紀 さおり [as 山本教授]
キムラ 緑子 [as 緑川多美]
五大 路子 [as 松島春子]
ジョン・カビラ [as 麻見総一郎]
新山 千春 [as 有森]
黒川 智花 [as 東野さやか]
長門 裕之 [as 星野権三郎]
 
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あ ら す じ    今は亡き有名なオペラ歌手の娘で、企業経営者である麻見総一郎を父に持つ、美貌と母譲りの歌の才能に恵まれて何不自由なく育った音大生の麻見史緒。貧しい家庭に育ち、バイトを掛け持ちしながらもオペラ歌手を夢見る緑川萌。ふとしたきっかけで知り合った2人は、神野隆が経営するレコード会社・クイーンレコードが主催するオペラのコンクールで競い合うことになる。優勝者にはイタリア留学という副賞が設けられていたのだ。
 実力では互角の2人だったが、萌は史緒が歌う直前に彼女の母親が亡くなった理由を話して動揺させ、史緒は最後まで歌うことができなかった。姑息な手段を使った萌がて優勝に輝き、イタリア留学の夢を手に入れるのだった。そして、敗れた史緒にはさらに過酷な運命が待っていた。父親の会社が経営破綻し家をも失った史緒は、父から最後のお金である200万円を当面の生活資金にと渡され、一人暮らしを余儀なくされる。そして、以前出会った銀座の一流クラブのママ池之端菜都子に頼み、彼女のクラブで歌手として働く決意をする。
 一方の萌は、コンクールで優勝したとはいえ、イタリア留学までの間をしのぐため、偶然にも池之端菜都子の店でホステスとして働くこととなった。再びまみえた史緒と萌だったが、ある時客のリクエストでデュエットを披露した2人は、互いに刺激し合って最高のパフォーマンスをなし得た興奮と感動の余韻が忘れられず、店で女装してピアノを弾く菜都子の息子池之端蘭丸との3人でユニットを組むことになるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    美女と美女のガチバトルが売りの作品。ステファニーという女性の存在を初めて知ったが、裕福な家庭で何不自由なく育ったお嬢様・史緒と、一方では母子家庭で酒浸りの母親を抱え、バイトしながらの苦学生・萌が、それぞれステファニーと満島ひかりのキャラクターにピッタリとマッチしている。そして、互いに敵対しながらもインスパイアし合って、見せてくれる・・・・・いや、聞かせてくれる2人のセッションには興奮のあまり鳥肌が立ってしまった。
 ステファニーの本業がいかに歌手であろうとも、さすがにオペラの歌唱シーンは吹き替えだろう。そして、一方の満島ひかりの場合は歌を歌うシーンはすべて吹き替えだと思われる。けれども、2人の熱演はそんな余計なことを考える暇も与えてくれない。コイツら、映画を離れても本当に敵対心をもってるんじゃないのか?と勘ぐりたくなるくらい、作品中では演技を感じさせない。
 そんな2人の脇を固める、イヤミなレコード会社社長・神野隆役がピッタリの及川光博と、なぜか店に出るときは女装してピアノを弾く池之端蘭丸役に渡辺大が、これまた役柄をわきまえて個性的なキャラクターを作り上げている。史緒と萌の因縁を綺麗に洗い流すかのようなラストの清々しさが心地いい作品。