評     価  

 
       
File No. 0904  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月17日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   瀬々 敬久  
       
上 映 時 間   138分  
       
公開時コピー   神に裁かれるのは人間か?ウイルスか?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   妻夫木 聡 [as 松岡剛]
壇 れい [as 小林栄子]
国仲 涼子 [as 三田多佳子]
田中 裕二 [as 三田英輔]
池脇 千鶴 [as 真鍋麻美]
カンニング竹山 [as 鈴木浩介]
金田 昭夫 [as 高山良三]
光石 研 [as 神倉章介]
キムラ 緑子 [as 池畑実和]
嶋田 久作 [as 立花修治]
正名 僕蔵 [as 田村道草]
ダンテ・カーヴァー [as クラウス・デビッド]
馬渕 英俚可 [as 鈴木蘭子]
小松 彩夏 [as 柏村杏子]
三浦 アキフミ [as 小森幹夫]
夏緒 [as 神倉茜]
太賀 [as 本橋研一]
佐藤 浩市 [as 安藤一馬]
藤 竜也 [as 仁志稔]
 
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あ ら す じ    東京郊外のとある市立病院で救命救急医として働く松岡剛のもとに、一人の急患が運び込まれる。インフルエンザの検査結果が陰性だったため、自宅で安静にするようにと松岡は診断して帰宅させる。ところが、その患者が再び担ぎ込まれた時には、タミフルをはじめとするあらゆるワクチンが通用せず、ついに患者は死亡してしまう。そして、同様の症状を訴える患者が次から次へと来院するのみならず、院内感染をも引き起こし病院内はパニック状態に陥るのだった。
 世界保健機関WHOから、メディカル・オフィサーの小林栄子が、事態の調査とこれ以上の感染拡大を防ぐために派遣される。かつて恋人同士だった松岡と栄子には皮肉な再会となった。早速栄子は病院スタッフの反感を買うような強引さで病棟全体を隔離し、患者に優先順位をつけて治療するトリアージを進めていく。しかし、すでに感染は全国規模で拡大しており、感染者数は数千万人、死者は一千万人にも及ぶと予測されていた。
 そんな中、松岡と栄子は最初の患者の妻で、一時は重態に陥りながらも今は回復して退院している真鍋麻美に目をつけた。彼女がこの感染について何か知っていると感じたためだった。そして、彼女の話から感染はとある国連非加盟の小国で発生し、医師である彼女の父立花修治の帰国によって日本に持ち込まれたことが判明した。松岡はウイルス研究者の第一人者で今回の感染について調べていた仁志稔に随行して、感染源を調べるために現地へと向かうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    昨年の日テレに続き、今度はTBSの開局50周年記念作品だとのことだが、脚本の粗がどうしても目についてしまった。そもそも、感染爆発の発端となった嶋田久作扮する立花の行動は、良識ある医師としてはあるまじき行為だ。自らが感染している可能性があるにもかかわらず日本に帰国すれば、それがどのような結果をもたらすかは容易に想像がつくはず。しかも感染を自覚したのだから、病院へ直行して医師に経緯を説明するのが医師としての当然の義務だろう。
 また、わずかな日数にもかかわらず、たった一人から日本列島に感染が及ぶというのは、致死率100%ならともかく現実味に欠ける。しかも、一病院内のパニックが描かれているだけなので、日本列島全体が感染という緊迫感がまるで感じられないのだ。そして、本来は感染から最も安全な場所で陣頭指揮を執るべき栄子が感染し、一番最初に患者に直接接していた松岡が感染しないというのも理解に苦しむ。
 粗ばかりを挙げてしまったが、細かい点を気にしなければそこそこ楽しめる作品ではある。感染者のみならず、その家族が置かれた悲喜こもごもの状況をも描き入れたのは悪くない。ただ、壇れい扮する栄子と妻夫木聡扮する松岡のラブストーリーはいかがなものかと思う。壇れいのタカビーでヤな女の演技が見事だっただけに、最後まで“鉄の女”ぶりを貫いて欲しかった。