評     価  

 
       
File No. 0905  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月17日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   井上 晃一  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー   整形美人で何が悪い!?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   山田 優 [as 神無月カンナ]
山崎 静代 [as カバコ(伊集院ありさ)]
中別府 葵 [as 隅田川菜々子]
永田 彬 [as 蓮台寺浩介]
佐藤 仁美 [as 森泉彩花]
柏原 崇 [as 綾小路篤]
浅野 ゆう子 [as 橘れい子]
 
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あ ら す じ    子供の頃から「ブタゴリラ」と罵られてきた神無月カンナは、縫製工場で働く今も同僚からのイジメに遭っていた。ところがある日、そんなカンナに優しく声をかけてくれた男性がいた。アパレル企業・亀戸商会の社員蓮台寺浩介だった。カンナは浩介に憧れ、ブスな自分を捨てるために全身整形を受ける決意をした。
 整形美人に生まれ変わったカンナは、亀戸商会の受付嬢としてもぐり込んだ。しかし、やり手の取締役橘れい子を取り巻く美しさに加えて仕事もできる美女軍団“チームビューティ”、その中でも筆頭格の隅田川奈々子が浩介と親しそうに話すのを見たカンナは、美人にもランクがあることを知り、本物の美人になるための努力を始めるのだった。
 ある日カンナは、縫製工場時代にカンナと共にイジメに遭っていた「カバゴリラ」ことカバコに偶然再会する。そして、仕事のできる美人を目指したカンナが応募した“新規ブランドデザイン”のコンテストで対象を受賞した伊集院ありさがカバコの本名であることを知って愕然とする。けれども、大賞受賞者のカバコが新規ブランドのデザイナーに任命されたのは当然だが、橘れい子はプロデュース兼モデルにカンナを、そしてサポートに奈々子を指名した。これに納得がいかない他の“チームビューティ”のメンバーのやっかみや嫌がらせに会いながらも、3人は力を合わせて新ブランドの発表会の準備に奔走するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品の公開を知った時は正直あまり観る気がしなかったのだが、地元のシネコンで上映することがわかり、それならばと劇場へ行ってきた。私の興味はただひとつ、先に公開された韓国版カンナさんにどこまで迫れるか、だった。私の独断による評価では観る前から勝負は決まっていたわけで、その最大の要因は主役のカンナを演じる女優の差であることは言うまでもない。最初にキム・アジュンをスクリーンで観てすっかり気に入ってしまい、劇場に7回も観に行った韓国版を上回ることはどう考えても不可能に近く、しかも日本版の主演の山田優はあまり好きではないとあってはなおさらだ。
 ストーリーは原作の設定を大幅に変えた韓国版に対し、日本版はかなり原作に忠実とのことだが、それが裏目に出ているように思えた。韓国版ではひたすらカンナを中心に描いたのに対し、日本版はカバコと菜々子の2人も主人公的なポジションに据えたため、いまひとつカンナの描き込みが足りないのは否定できない。加えて、どうしても山田優がカンナではなくドラマ『正義の味方』の中田槇子に見えて仕方ない。美人という設定のカンナよりも、静ちゃんこと岩崎静代扮するカバコの方が好感が持てたほどだ。それに対して、隅田川菜々子を演じた中別府葵が非常に可愛かったために、個人的には山田優と中別府葵の役柄を交換した方がよりカンナに感情移入ができただろう。そして、コメディとしての笑わせ方も韓国版の方が一枚上手であるようで、日本版は単なるドタバタ劇に苦笑する方が多かった気がする。
 余談だが、ことごとく台詞を「以上」で終わらせる浅野ゆう子扮する橘れい子は、常に台詞を“That's all”で締めくくる『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープにダブって仕方なかったのは私だけだろうか?