評     価  

 
       
File No. 0906  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2009年01月17日  
       
製  作  国   フランス / イタリア / スペイン  
       
監      督   エリック・ロメール  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   君が望むなら、僕は君の元を去る。
君が望むなら、僕は、君に触れたい。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アンディ・ジレ [as セラドン]
ステファニー・クレイヤンクール [as アストレ]
セシル・カッセル [as レオニード]
ジョスラン・キヴラン ヴェロニク・レモン
ロセット
ロドルフ・ポリー
マティルド・モスニエ
 
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あ ら す じ    5世紀。深く愛し合うセラドンアストレは、互いの両親が不仲であったために、人目を避けて愛を育んでいた。そして訪れた祭の日、アストレは親の目を気にしてセラドンに自分以外の女性と踊るように頼んでいた。ところが、祭の当日に別の女性と踊っているセラドンを見たアストレは、彼が演技ではなくその女性に本気になってしまったと思い込んでしまう。セラドンはアストレの誤解を解こうとするが、アストレは聞き入れないばかりか「私の前に二度と現れないで欲しい」と拒絶してしまうのだった。
 絶望のあまり川に身を投げて自殺を図ったセラドンは、下流の森に住むニンフたちに助けられて一命を取り留めるものの、ニンフのマダムに気に入られて彼女らの城から出ることを許されない。しかし、彼を慕うレオニードの手引きで城を脱出したセラドンは、「私の前に二度と現れないで」というアストレの言葉を守り、村へは戻らずに森で僧侶とレオニードに助けられながら暮らし始める。森の中で偶然アストレを見かけても、彼女の言葉を頑ななまでに守るセラドンは、彼女に会いたくても会うことができない。そんなセラドンを不憫に思った僧侶は、セラドンがアストレに会えるように一案を講じるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    これは・・・・・どう考えてもコメディでしょう。セラドンの思い込みの激しさは異常で、いくらアストレから「私の前に現れないで」と拒絶されたとはいえ、あくまでそれは誤解なのだから、川に身を投げるなんてあまりに女々しい。そのくせ、こそこそとアストレの様子をうかがったり、挙げ句の果てにあの女装は・・・・・絶句。観ていて笑いがこみ上げてくるのを我慢するのに苦労した記憶がある。
 確かに、セラドンを演じたアンディ・ジレのルックスは女性のように整った美しさがあるものの、それはあくまで「男性としては」という大前提に基づくもので、彼がいかに女性の格好をしたところで所詮は“女装したオカマ”が関の山で、どうあがいても本物の女性に思えるはずがない。背も異様に高いし。しかも、彼のことを一番よく知っているはずのアストレが間近で会話をしてもセラドンだと気づかないなんて、絶対にあり得ない。そしてセラドンは、アストレが自分を女性だと信じ切っているのをいいことに、スケベ根性丸出しでやりたい放題だとは、これをもって「至上の愛」だとは口が裂けても言えない(笑)。
 というわけで、まじめに構えて観るとどうしても笑いがこみ上げるこの作品は、コメディと割り切って気楽に観た方がいいようだ。ただ、女装した姿はさすがに気色悪いものの、上にも書いた通りセラドンは整った美形だし、対するアストレに扮したステファニー・クレイヤンクールも美しく、どうせなら真剣な美男・美女の恋物語にして欲しかったものだ。