評     価  

 
       
File No. 0910  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月31日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   堤 幸彦  
       
上 映 時 間   139分  
       
公開時コピー  
さあ、みんな“づつき”を始めよう
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   豊川 悦司 [as オッチョ]
常盤 貴子 [as ユキジ]
平 愛梨 [as カンナ]
香川 照之 [as ヨシツネ]
ユースケ・サンタマリア [as サダキヨ]
藤木 直人 [as 蝶野]
石塚 英彦 [as マルオ]
宇梶 剛 [as モンちゃん]
小日向 文世 [as ヤマネ]
佐々木 蔵之介 [as フクベエ]
森山 未來 [as 角田]
古田 新太 [as 春波夫]
小池 栄子 [as 高須]
木南 晴夏 [as 小泉響子]
ARATA [as 13番]
前田 健 [as マライア]
荒木 宏文 [as ブリトニー]
六平 直政 [as 仁谷神父]
佐藤 二郎 [as ホクロの巡査]
片瀬 那奈 [as 敷島ミカ]
光石 研 [as ヤマさん]
西村 雅彦 [as 七龍の店主]
甲本 雅裕 [as カンナの担任]
梅津 栄 [as オデオン座館主]
研 ナオコ [as ジジババ]
小松 政夫 [as 珍宝楼店主]
石橋 蓮司 [as 万丈目胤舟]
中村 嘉葎雄 [as 神様]
黒木 瞳 [as キリコ]
唐沢 寿明 [as ケンヂ]
 
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あ ら す じ    2000年12月31日の巨大ロボットによる人類滅亡計画が行われた、“血の大みそか”から15年経過した2015年。あの惨事は悪魔のテロリスト、ケンヂ一派のの仕業とされ、それを阻止した“ともだち”は日本のみならず世界中から救世主のように讃えられていた。そんな中、ケンヂの姉キリコの娘で、2000年当時はまだ赤ん坊だったカンナは、行方不明になったケンヂの代わりにユキジに育てられ、高校生になっていた。“血の大みそか”の真相を知るカンナは学校で教えられる偽りの歴史に憤りを覚え、学校からは問題児扱いされていた。
 ある日カンナは、店の常連客であるニューハーフマライアを通じて、同じくニューハーフのブリトニーと知り合う。ブリトニーは歌舞伎町で起きた中国人殺害事件の犯人を目撃していたために、警察が血眼で探していたのだ。ところが、その真犯人が現職の警官であることがわかったため、カンナはブリトニーを警察からかくまうこととなった。そして、そんなカンナを信じて味方になったのは、新人刑事の蝶野だった。しかし、蝶野は彼が個人的に慕う警察庁長官の通称ヤマさんが“ともだち”と通じており、かつて上司であった蝶野の祖父チョーさんを殺害したのが彼であることを知らなかった。
 “ともだち”が導く国家に反抗するカンナは、クラスメイトの小泉響子と共に「ともだちランド」での研修を命じられる。その研修の真の目的は、“ともだち”に反抗する人間を洗脳することだった。カンナは研修会場で、逃げだそうとした響子を助けるヨシツネに再会する。彼も他のケンヂの幼なじみ同様に地下に潜伏して機会を窺っていたのだ。そしてカンナは、ヨシツネの反対を押し切って、何が待ち受けているかわからないボーナスステージへ進むことを決意する。成績優秀者のみに許されるボーナスステージに見事進んだカンナと響子は、そこで“ともだち”の真相へと近づいていくのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    言わずと知れた、浦沢直樹氏原作の同名コミックを映画化した3部作の2作目。単刀直入に言えば、1作目よりは遙かに密度の濃い、緊迫感に溢れる秀作に仕上がっていると思う。そして、前作より面白いと感じた理由を考えてみて思い当たったのは、今回は唐沢寿明が回想シーンにしか登場せず、クレジットではオッチョとユキジに次いで3番目だったが、明らかにカンナが主役であったことが大きく影響していた気がする。前作のコメントにも書いたとおり、どうしてもケンヂ役に唐沢寿明というキャスティングは違和感を払拭することができないのだ。それに対して、今回3,000人の中からオーディションで選ばれただけあって、カンナを演じる平愛梨がまさに原作のイメージにぴったりで、これ以上のはまり役はないと言っても過言ではない。また、前作に引き続き登場するトヨエツのオッチョや香川照之のヨシツネにはますます原作のイメージに近づいてきた感があってこれもまたいい。
 作品の尺は139分とちょっと長めだが、それでもよくもこれだけの内容を詰め込むことができたものだと感心する。ただ、それは諸刃の剣のようなものであって、原作を読んでいる私にとっては記憶をたどりながら観るから置いて行かれるようなことはなかったが、原作を全くしらない観客が観た場合はどうなのか、疑問は残る。その意味では、途中で原作が連載されていたビッグコミック・スピリッツの購読を途中でやめたため、第2章まではわかっているが次の最終章は全く予備知識がないため、観た感想がどう変わるのかある意味楽しみではある。一体“ともだち”の正体が誰なのか、まさかオッチョやヨシツネ、マルオらケンヂ一派ではないと思うのだが。試しにYahoo!の掲示板を覗いて見たら、“ともだち”の正体が誰なのか様々な憶測が飛び交っていて、それはそれで読んでみると楽しめるかも知れない。