評     価  

 
       
File No. 0913  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年01月31日  
       
製  作  国   ベルギー / フランス / イタリア  
       
監      督   ジャン=ピエール・ダルデンヌ  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   この愛だけを、私は信じる。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   アルタ・ドブロシ [as ロルナ]
ジェレミー・レニエ [as クローディ]
ファブリツィオ・ロンジョーネ [as ファビオ]
アウバン・ウカイ [as ソコル]
モルガン・マリンヌ [as スピルー]
オリヴィエ・グルメ [as 捜査官]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    アルバニアからベルギーへやってきたロルナ。彼女はベルギーの国籍を得て暮らしていくため、タクシー運転手で裏ではブローカーを営むファビオの手引きで、ベルギー人のクローディと形だけの結婚をして共に暮らしていた。クローディは重度の麻薬中毒者だったが、たとえ偽りの結婚であったとしてもロルナを慕い、彼女を心の支えにして本気で麻薬を断とうとしていた。
 ロルナは今1万ユーロの報酬と引き替えに、ファビオの国籍売買に荷担していた。ロルナがベルギー国籍を取得したら彼女を未亡人にして、国籍を欲しがっているロシア人と結婚させる手はずとなっていた。そして、ロルナを未亡人にするには麻薬中毒のクローディは格好の道具だったのだ。同郷の恋人ソコルとバーを開く夢のために、最初はクローディの命を犠牲にすることをやむを得ないと言い聞かせていたロルナだったが、自分だけを頼りにして必死で麻薬を止めようとするクローディと接するうちに、次第に気持ちに変化が生じてくるのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    私の理解力不足のせいもあるかもしれないが、説明があまりに足りないように思える。確かに、ロルナとクローディが普通の夫婦でないことはわかったが、ロルナが国籍を取得するための一種の偽装結婚だったとは気づかなかったし、麻薬から立ち直ったように見えたクローディが突然亡くなったのも、原因が事故なのかそれとも他殺なのか(私には後者に思えて仕方ない)、全く描かれていない。また、ロルナの妊娠が本当なのか、もし本当だとしたらなぜ医者が嘘を言ったのか。これらの疑問の答え如何によっては、作品の解釈が大きく変わってしまいかねないだけに、知りたくて仕方ない。
 主役のロルナを演じたアルタ・ドブロシは、ショートカットのためか中性的な魅力のある女性で、この役柄にはオーディションを経て抜擢されたらしい。クローディに対する気持ちが次第に変わっていく演技が実に見事で、終始頑なな表情で笑顔を見せないだけに、ただ一カ所クローディに対して見せた笑顔がとても印象的だ。そして、そのクローディを演じたジェレミー・レニエも、ロルナを心の支えとして慕う様は思わず女性の母性本能をくすぐるであろう好演で、ロルナが彼に対して心を動かされるのも充分説得力を感じられていい。