評     価  

 
       
File No. 0923  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年02月21日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   草野 陽花  
       
上 映 時 間   87分  
       
公開時コピー   昔の恋人に会いたいとは思いませんか?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   寺脇 康文 [as 岩津中]
寺島 咲 [as 香奈]
清水 くるみ
松下 優也
上田 結 [as 昌子]
内山 理名
 
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あ ら す じ    製薬会社の営業部で課長を務める37歳の独身男性、岩津中の携帯に、ある夜心当たりのない女性からの着信が入る。間違いだと思われたその電話だったが、翌日再び岩津の携帯に着信があり、岩津には相手に全く心当たりがないにもかかわらず、相手の女性は彼の名前から勤務先に役職、果ては出身地まで知っている様子だった。
 岩津の目の前に現れた電話の主は、驚くべき事に兵庫県・三宮にある、岩津の母校に通う現役中学生だった。彼女は香奈と名乗り、夏休みを利用して兵庫から横浜へと岩津に会うために来たとのこと。何のために自分に会いに来たのかという問いかけに香奈は、友達と20年前の卒業アルバムから気に入った卒業生を選び、その人に会いに行くというゲームをしていると言う。釈然としないままに、岩津は香奈から強引に翌日の買い物につきあわされる羽目になった。
 買い物を終えて高速バスで帰る香奈を見送るだけのはずだった岩津は、香奈に強引にバスに乗せられて故郷の三宮まで同行することになってしまった。翌朝三宮に着いた岩津は、会社の部下に休暇の連絡を入れたところ、既に2日間の休暇の連絡を受けていると言われた。すべて香奈があらかじめ手配していたのだ。ますます香奈がわからなくなった岩津は、彼女に言われるままに母校の中学校を訪れる。そしてそこで、岩津は自分でもすっかり忘れ去ってしまっていた、当時の恋人昌子とのエピソードを教えるよう香奈からせがまれる。岩津の心に、当時まだ幼かった自分が香奈にとった行動に対する淡くも苦い思い出が甦る・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    映画単独初主演を果たした寺脇康文の熱演と、寺島咲の健康的な色気のある好演が光る。導入部では寺脇康文と寺島咲の2人で一体どう展開するのか、もしかして淫行か?などと思ってしまったのは、私が単なるスケベオヤジに成り下がってしまった証拠だろうか(笑)。
 美しい映像と丁寧な作りが印象に残るが、内容的に粗が見えないわけではない。そもそも、香奈がなぜ今寺津の前に現れたのか、その時間的な必然性が欠落している。その日に何らかの因縁があるわけではなく、どうしても「なぜ、このタイミングなのか?」という不満は残る。また、香奈が中学生の姿形で現れたのも、よく考えれば理由がわからない。岩津と昌子が出会ったのが中学時代だったからか?単にそれだけでは理由が弱いように思える。
 岩津と昌子が出会って恋に落ちた1985年は、私にとってもあるメモリアル・イヤーであり、それだけにタイトルにもなった渡辺美里の「悲しいボーイフレンド」を聴くと、当時の記憶が懐かしくも苦々しく思い浮かんできて、岩津の思いと重なるような気がしてとても他人事とは思えない。主人公の岩津と同じ世代の私にとって、何かと考えさせられることの多い作品だった。