評     価  

 
       
File No. 0927  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年02月28日  
       
製  作  国   オーストラリア  
       
監      督   バズ・ラーマン  
       
上 映 時 間   165分  
       
公開時コピー   前に進むための涙もある。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ニコール・キッドマン [as サラ・アシュレイ]
ヒュー・ジャックマン [as ドローヴァー]
デヴィッド・ウェンハム [as ニール・フレッチャー]
ブライアン・ブラウン [as キング・カーニー]
ジャック・トンプソン [as キプリング・フリン]
デヴィッド・ガルピリル [as キング・ジョージ]
ブランドン・ウォルターズ [as ナラ]
 
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あ ら す じ    英国人貴族のサラ・アシュレイ「は、オーストラリアへ行ったきり1年も戻ってこない夫を訪ねる決意をし、ロンドンから数千キロも離れた地へと一人で旅立った。現地では信頼のおけるドローヴァーと呼ばれる男が案内すると聞かされてきたサラだったが、現地についていきなり殴り合いの喧嘩を見せつけられ、その一方がドローヴァーと知ったサラは嫌悪感を露わにするのだった。
 ドローヴァーは、サラをアシュレイ家の領地ファラウェイ・ダウンズへ送り届けることを条件に、牛1,500頭を追う仕事を約束されていた。2人は互いに反感を抱きながらも旅を続けようやく領地にたどり着くが、屋敷は人が住んでいるとは思えないほど荒れ果てていた。そして、肝心の夫はアボリジニの呪術師キング・ジョージに殺されたと、使用人のフレッチャーから知らされる。
 サラに残された選択肢はひとつ、牛を遙か遠隔地のダーウィンで売ることだった。サラとドローヴァー、アボリジニと白人のハーフの少年ナラ、牧場の会計士でアル中のキプリング、そしてドローヴァーに従う2人の牧童と最小限の人数で牛を追いながら、一行はダーウィンへと向かう。しかし、道中ではサラに解雇された腹いせに商売敵カーニーの手先となったフレッチャーが、幾度となく卑劣な手段で妨害を企てるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    久しぶりに観る嫌みのない正統派のアドベンチャー・ロマンス大作。作品のスケールももちろんのこと、舞台となるオーストラリアの壮大な大自然にはただただ圧倒されるばかりだった。ヒュー・ジャックマンとニコール・キッドマンが誰もが認める美男・美女であるうえに、共にオーストラリア出身というのは絶妙の配役と言えるだろう。そして、なんとN・キッドマンは撮影中に妊娠が判明したらしく、ひどいつわりに苦しめられながらも撮影を敢行したとのこと。その役者魂には頭が下がる。そして、この物語で重要な役割を演じたアボリジニと白人の混血の少年ナラの大きな瞳が強く印象に残っている。
 時代は第2次世界大戦直前という設定で、作品中でもオーストラリアが戦争に巻き込まれることになるのだが、オーストラリアに対して空爆を行ったのが日本軍であるという事実は、恥ずかしながらまったく知らなかった。作品の中では日本兵の残忍な行為をことさら強調するような描写になっていないのは救いだったとはいえ、それでもなお自分が生まれ育った国が行った行為に対して感じたのは嫌悪感以外の何物でもなかった。こういう、思いもかけない作品で自分の国がかつて行った行為を目の当たりにするのは、予期しないだけに非常に観ていて辛いものがある。この作品のテーマが「戦争が引き裂く愛」などではなかったことは幸いだったと言う他ない。。
 これだけのスケールの作品だから、尺もほぼ3時間近くとかなり長めなのだが、先日の『ベンジャミン・バトン』以上に時間を忘れてあっという間に終わってしまった感のある165分だった。DVDで観るよりも、劇場の大スクリーンと大音響で観ることをオススメしたい作品だ。