評     価  

 
       
File No. 0932  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年03月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョン・パトリック・シャンリー  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   神聖なはずのカトリック学校で、何が起こったのか?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   メリル・ストリープ [as シスター・アロイシアス]
フィリップ・シーモア・ホフマン [as フリン神父]
エイミー・アダムス [as シスター・ジェイムズ]
ヴィオラ・デイヴィス [as ミラー夫人]
 
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あ ら す じ    1964年、ニューヨークのブロンクスにあるカトリック学校、セント・ニコラス・スクール。大聖堂で生徒や信者達を前に、ケネディ暗殺事件を引き合いに出し、絶望感や疑惑もまたにとを結びつける強い絆となる、と説くフリン神父。そして、彼を冷徹なまなざしで見つめていた校長のシスター・アロイシス。旧来の道徳観と神に対する篤い信仰心を持つシスター・アロイシスにとって、現代的な開かれた教会を目指すべきだという持論のフリン神父は相容れない存在だった。
 シスター・アロイシスは新人教師のシスター・ジェイムズに対し、物事を常に疑惑の目で見なければならないと教える。疑惑を持つことは神から遠ざかるのでは、そう訪ねるシスター・ジェイムズに、シスター・アロイシスは「悪事に立ち向かうことは神から遠ざかることになる。しかし、それは神のために成す行為であり、神も許される」と答える。そしてある日、シスター・ジェイムズはフリン神父の不審な行動を目撃し、神父が学校唯一の黒人生徒であるドナルド・ミラーに邪な関心を抱いているのではないかとシスター・アロイシスに報告した。
 フリン神父はシスター・アロイシスの追求に対し、祭壇用のワインを勝手に飲んだドナルドを守ろうとしたと反論する。それを聞いて胸をなで下ろすシスタージェイムズだったが、シスター・アロイシスは逆にフリン神父が嘘をついていると確信を強める。そして、詳しい事情を尋ねるために、ドナルドの母親ミラー夫人を学校に呼んだ。そのことを知ったフリン神父は激昂し、ついにシスター・アロイシスと激突することになる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    メリル・ストリープの貫禄に終始圧倒されっぱなしといった感のある作品。彼女の老獪な演技の前では、エイミー・アダムスもまるで少女のように見えてしまう。作品の主題はメリル・ストリープ扮するシスター・アロイシスと、フィリップ・シーモア・ホフマン扮するフリン神父との心理戦にあるのだが、正直言うとあまりに簡単に決着がついてしまうので、少々物足りなく感じてしまった。
 観る前は、2人の手に汗握る綱渡りのような緊迫感ある舌戦が繰り広げられるのかと期待していたが、蓋を開けてみればメリル・ストリープの圧勝で、なんとも呆気ない幕切れだった。そして、一体何が真実だったのかは観る者の判断そんななかに一方的に委ねられている。加えて、最後の最後にメリル・ストリープが泣き崩れてまで語った“疑惑”が一体何なのか、気になって仕方ない。そんな中で、エイミー・アダムスの可愛らしさだけが清涼剤のような役割を演じてくれているのが救い。メリル・ストリープ扮するシスター・アロイシスの最後の疑惑とは、もしかして・・・・・?