評     価  

 
       
File No. 0940  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年03月14日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   真田 敦  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   どうして僕たちは何かを失って、大人になるんだろう。
ハワイ島の北、忘れられた町ホノカア。ボクが出会った風と、恋と、ごはん。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   岡田 将生 [as レオ]
倍賞 千恵子 [as ビー]
長谷川 潤 [as マライア]
喜味 こいし [as コイチ]
正司 照枝 [as みずえ]
蒼井 優 [as カオル]
深津 絵里 [as チャコ]
吉田 玲雄 [as トム]
松坂 慶子 [as エデリ]
 
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あ ら す じ    彼女のカオルに言われるがままにハワイ島へ旅行に訪れたレオ。不機嫌な彼女と、都合が悪くなるとすぐ黙るレオの旅はギクシャクしたもので、結局レオはカオルにふられてしまう。そしてその半年後、なぜかレオは旅の途中で訪れたハワイ島の北にある小さな日系移民の町ホノカアで、映画館の映写技師助手の仕事をしながら暮らしていた。
 ホノカアは時間から取り残されたかのように、毎日が同じように静かにそして穏やかに繰り返される町だった。そんな町で、レオは映画館の女主人エデリや美容室のみずえ、意味もわからずに「同性愛」と書かれたTシャツを着たコイチらの中に、不思議と自然に溶け込んでいた。そしてある日、町で一番有名なヘンクツばあさんのビーと知り合いになった。
 きっかけはビーが作った猫の餌をレオがつまみ食いしたことで、ビーは猫の餌を美味しいと言って食べたレオに、明日から毎日晩ご飯を食べに来るようにと言った。こうしてレオとビーとの交流は始まった。ビーには、自分の作った料理を美味しそうに食べてくれるレオがとても嬉しかった。そして、まるで突然増えた家族のようにレオを大切に感じていた。レオもまたそれは同じで、2人の優しい毎日は、ヘンクツだったビーを素直で可愛らしく変えていった。
 そんなある日、レオは恋に落ちる。相手は良く笑う可愛い女の子マライアだった。今まではビーのために使われていたレオの時間が、次第にマライアのために使われるようになってくる。それがビーにとっては寂しかった。そんなビーの気持ちに全く気づかないレオは、ビーにマライアを紹介し、マライアと2人でビーにご馳走になることになった。しかし、その食事がちょっとした事件に発展するなどとは、レオは微塵も知る由もなかった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    直前まで劇場へ行くか行くまいか迷っていたが、結局はある人物が出演していることが決め手となって劇場で観ることとなった。その「ある人物」とは・・・・・いい加減そういう基準で映画を選ぶのはやめにしたらどうだ?などという叱責が飛んできそうだが、マライアを演じたモデルの長谷川潤チャンだ。めざましテレビで“MOTTOいまドキ”に彼女が登場した時には、眠気も忘れてテレビに見入っていたのを覚えている(笑)。
 劇場へ行って驚いたのは、100席前後の小スクリーンとは言え客席がほぼ満席だったこと。あの劇場であれほど満席だったのは、おそらくは『ミリオンダラー・ベイビー』以来のことではないだろうか。隣の席に人が来ることはないと決め込んで、私は図々しくも荷物と上着を置いていたのだが、以外にもその席に女性が座った。「もっと他に空席はあるのに、なぜわざわざ隣に人がいる席を選ぶんだ?」などと思ったのだが、実は空席など最前列くらいにしか残っていなかったことが後でわかってやっと納得したという状況だった。
 作品は思ったよりも悪くはなかった。静かなハワイの片田舎の町で暮らす、岡田将生扮するレオの何気ない日常が軽いタッチで描かれているが、内容は決して軽くない。人は誰しも必ず身近な人物の死を受け止めなければならない。そして、それを繰り返すうちに少しずつ成長していく。決して軽くはないテーマながら、重苦しさを感じさせないのはひとえに倍賞千恵子の上手さであり、松坂慶子や喜味こいしらのコミカルな演技の賜だろう。加えて私にとっては、長谷川潤チャンの魅力が占める割合もかなり高かったことは確かだ(笑)。