評     価  

 
       
File No. 0973  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   トニー・ギルロイ  
       
上 映 時 間   125分  
       
公開時コピー   これは、生き残りをかけた“企業諜報合戦”  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリア・ロバーツ [as クレア・ステインウィック]
クライヴ・オーウェン [as レイ・コヴァル]
トム・ウィルキンソン [as ハワード・タリー]
ポール・ジアマッティ [as ディック・ガーシク]
デニス・オヘア [as デューク]
トーマス・マッカーシー [as ジェフ・バウアー]
キャスリーン・チャルファント [as パム]
ウェイン・デュヴァル [as ネッド・ガストン]
 
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あ ら す じ    熾烈な競争を繰り広げる、トイレタリー業界最大手の老舗B&R社と、新興のエクイクロム社。敵に勝つためには手段を選ばない、エクイクロムの野心家CEOディック・ガーシクは、自社の株主総会を9日後に控えたある日、B&RのCEOハワード・タリーが画期的な新商品を発表しようとしているとの情報を掴み愕然とした。そんな状況の下、新たにエクイクロムの産業スパイ・チームに加わったのは、イギリス諜報機関MI6の元諜報員レイ・コヴァルだった。
 レイはニューヨークの街中で、以前から浅からぬ因縁のある女性クレア・ステインウィックに遭遇する。彼女は元CIA諜報員で、表向きはタリーに雇われたR&Bの機密保持部員だったが、実はディックがB&Rに潜入させたスパイだった。ディックと彼のスパイ・チームは、あらゆる合法的な手段をも駆使して、ジョージア州にあるB&R社の子会社の存在にたどり着いた。そして、その子会社に在籍する天才博士パーティズが、業界の常識を覆す新製品を開発したとの確信を強めていった。
 新製品の情報をめぐる熾烈な攻防戦が繰り広げられる中、レイとクレアにはもうひとつ別の思惑があった。それは、B&R社はもちろんのこと、彼らの雇い主であるエクイクロムをも出し抜き、新製品に関する情報を横取りしようという企みだった。そして、エクイクロムの株主総会直前に、クレアはB&Rから新製品の化学式の入手に成功したが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    開始早々、トム・ウィルキンソンとポール・ジアマッティの掴み合いの喧嘩で幕を開けた時は、この先一体どうなるのかと思い切り期待させられてしまったが、中身は今ひとつの出来だった。残念。邦題のサブタイトルには『スパイは、スパイに嘘をつく』とあるが、これもちょっと見当外れだと言わざるを得ない。
 時間軸を前後させて観せてみせたり、苦労の跡はわからないでもないが、それがかえって逆効果で、スパイ物に不可欠なスリルと緊迫感のなさは如何ともし難いようだ。ラストは一応どんでん返しと言えるのだろうが、レイとクレアの関係にもう一ひねり欲しかった。そのレイとクレアを演じたのは、『クローサー』以来の共演となるクライヴ・オーウェンとジュリア・ロバーツだ。この2人の組み合わせは悪くない。芸達者な2人だからこそ、表には出せない思惑を幾重にも秘めたスパイという役柄を難なくこなせている。ただ、いくら役者が頑張っても脚本がこれでは・・・・・というのが、この作品のすべてだと思う。