評     価  

 
       
File No. 0976  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   紀里谷 和明  
       
上 映 時 間   128分  
       
公開時コピー   愛する者のために。  
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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   江口 洋介 [as 石川五右衛門]
大沢 たかお [as 霧隠才蔵]
広末 涼子 [as 浅井茶々]
ゴリ [as 猿飛佐助]
要 潤 [as 石田三成]
玉山 鉄二 [as 又八]
チェ・ホンマン [as 我王]
佐藤 江梨子 [as 吉野太夫]
戸田 恵梨香 [as 夕霧太夫]
鶴田 真由 [as 小平太の母]
りょう [as 五右衛門の母]
藤澤 恵麻 [as 才蔵の妻お吉]
佐田 真由美 [as 三成の妻おりん]
深澤 嵐 [as 小平太]
福田 麻由子 [as 少女時代の茶々]
広田 亮平 [as 少年時代の五右衛門]
田辺 季正 [as 青年時代の五右衛門]
佐藤 健 [as 青年時代の才蔵]
蛭子 能収 [as 蕎麦屋店主]
六平 直政 [as 紀伊国屋文左衛門]
小日向 文世 [as 遊郭の番頭]
中村 橋之助 [as 織田信長]
寺島 進 [as 服部半蔵]
平 幹二朗 [as 千利休]
伊武 雅刀 [as 徳川家康]
奥田 瑛二 [as 豊臣秀吉]
 
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あ ら す じ    1582年、明智光秀の謀叛により志半ばで非業の死を遂げた織田信長の後を受け、太閤として政権を握った豊臣秀吉。世はつかの間の平安が訪れるものの、民衆の生活は困窮を極めるばかりだった。そんな世の中で民衆の絶大な信望を得ていたのは、金持ちから盗み貧しい者に施す義賊・石川五右衛門だった。
 ある夜、豪商・紀伊国屋文左衛門邸に侵入した五右衛門は、金品と共に南蛮渡来の小箱を盗み出すが、中身が空とわかり捨ててしまった。ところが、彼と行動を共にする猿飛佐助から、石田三成が箱を求めて紀伊国屋を惨殺した挙げ句、配下の霧隠才蔵を差し向けてまで躍起になって箱を探していることを聞いた。五右衛門は早速貧民街へ向かい、母を斬り殺された少年小平太から箱を手に入れた。しかし、運悪く霧隠才蔵と出くわした五右衛門は、危うく殺されそうになったところを服部半蔵の登場で難を逃れた。三成が才蔵を使い、一方では徳川家康が半蔵を使ってまで手に入れようとしたその箱には、信長暗殺に関する重大な秘密が隠されていたのだ。
 五右衛門は箱に隠された秘密を解き明かすと、単身大阪城に乗り込んだ。そして、思いもかけず茶々と再会した。五右衛門はかつて信長の命を受け、少女だった茶々の護衛に当たっていたのだった。そして今、茶々は秀吉から自分の側室になよう言い渡されていた。五右衛門は信長の無念を晴らし、愛する者を守るために闘う決意を固めるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    こりゃ、完全なマンガだなと思ったらそれもそのはず、監督があの紀里谷和明だったのだ。監督が稚拙だと出来上がった作品がどうなるか、その見本のような作品だった。五右衛門をキャシャーンに置き換えてもほとんど違和感を感じないだろう、そんな世界観で繰り広げられるアクション時代劇は、脚本が史実に忠実なものではなくかなりの脚色が施してあったものの、それはそれで許容範囲内。そして、衣装や大道具の造形も当時のものではなく未来的で、主要な登場人物が誰一人として髷を結っていない時代劇も初めての経験だった。ただ、言葉遣いが当時のものではなく現代の言葉遣い(特に「見れる」等の「ら抜き表現」)にしたのは、軽薄さを感じさせるだけで全く無意味。CGも全体的に安っぽく、三流のコミックを観ているような気にさせられるるのは致命的だ。
 こんな作品であっても登場するキャストは豪華で、江口洋介と大沢たかおの演技はさすが、橋之助の信長は観る前は「?」だったが、これが予想外にマッチしていた。広末涼子の茶々も悪くないし、伊武雅刀も貫禄そんな中で許せないのが、豊臣秀吉を演じた奥田瑛二だ。もともとあまり好きな俳優ではなかったが、演技の拙さはもちろんのこと、天下人たる品格を微塵も感じさせない下卑たることこの上ない秀吉には嫌悪感を感じずにいられない。