評     価  

 
       
File No. 0982  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年05月09日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   林 海象  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   禁断の暗号(コード)に隠された哀しき真実が今明かされる・・・  
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   尾上 菊之助 [as 探偵507]
稲森 いずみ [as 美蘭]
宍戸 錠 [as 探偵500(会長)]
松方 弘樹 [as 椎名次郎]
松岡 俊介 [as 情報屋]
斉藤 洋介 [as 探偵523]
佐野 史郎 [as 探偵501]
柏原 収史 [as 探偵511]
宮迫 博之 [as 探偵522]
坂井 真紀 [as 探偵577]
成宮 寛貴 [as 探偵591]
貫地谷 しほり [as 宍戸瞳]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    川崎市で突如起こった連続爆破テロ事件。川崎市長は発見された時限爆弾の解除を探偵事務所5に依頼し、探偵501の命を受けてコードの解読に当たったのは、情報科学研究室の部長で暗号解読の天才・探偵507であった。全ての爆弾を見事に解除した507への次の任務は、上海支部から依頼された暗号の解読だった。送られてきた写真に映っていた、これまで見たこともないような配列パターンの暗号に魅せられたように、507は早速上海へと向かった。
 上海で507を出迎えたのは、万年ヒラの探偵523宍戸会長だった。507は情報屋から得た情報をつてに、今回の暗号解読の依頼人である、上海最大のマフィア青龍公司のボスの女・美蘭の屋敷に忍び込む。美蘭と対面した507は、暗号を見せる代わりに自分を守るよう頼まれる。そして、美蘭から見せられた暗号は、驚くべき事に彼女の背に彫られた刺青だった。その刺青は彼女にとって、幼い頃に生き別れた父親の唯一の手がかりでもあるという。507は彼女の刺青を記録し屋敷を抜け出すが、その後を青龍の配下が追う。窮地に追い込まれた507だったが、正体不明の謎の男に救われるのだった。
 青龍公司は美蘭の背に彫られた暗号こそ、旧日本軍が遺した莫大な財宝のありかを示すものであることを知り、美蘭を監禁してまで暗号解読に躍起になっていたのだった。一方の507は、いくつものトラップをかいくぐって次第に暗号を解き明かしていく。そして、ついに暗号を解き明かした507は、美蘭を連れて財宝が隠されている洞窟へと向かう。しかし、2人を追って青龍公司の一味や、かつて彼を救った謎の男、そして宍戸会長までもが洞窟へと集結しつつあった。美蘭と謎の男の関係、そして、宍戸会長と謎の男の因縁の全てが明らかにされようとしていた・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    前日に『バビロンA.D.』を観せられた後では、たいがいの作品は面白く感じてしまいそうなのだが・・・・・キャスティングをもう少し考えて欲しかった。60年前に宍戸錠扮する宍戸会長と松方弘樹扮する椎名が出会った時、どう見ても宍戸は10歳前後、対する椎名はどれほど若く見積もっても40代。それが、60年後の現在、既に100歳を越えているであろうと思われる椎名の方が、宍戸会長より若いというのはあまりに不合理だ。60年前の椎名には別の若い役者を起用すべきだろうが、それにしても現在の椎名に松方弘樹では若すぎる。せっかく松方弘樹という大御所を起用したのに、それが裏目に出てしまっている。
 作品全体を見ると、暗号を解くことや敵対する相手が上海最大の裏組織であることの緊迫感に欠けるのは否めない。特に、青龍公司の会長の息子がコメディにしか見えないのがツライ。そんな中、意外にも中国の歌姫という役柄のイメージを損なわない、稲森いずみ扮する美蘭が良かった。彼女の演じる役柄に初めて好感が持てた気がする。ただ、彼女歌う早春賦が最後の暗号解読のキーになるとはいえ、あまりに尺を割きすぎている気はしたが。