評     価  

 
       
File No. 0984  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月16日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   細野 ひで晃  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   世界一鈍いアイツが、
俺たちの人生を壊しにやってくる。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   浅野 忠信 [as 凸やん(凸川隆二?)]
北村 一輝 [as 江田]
ユースケ・サンタマリア [as 岡本]
真木 よう子 [as 静]
南野 陽子 [as 順子ママ]
佐津川 愛美 [as ノラ]
ジェロ [as 明]
本田 博太郎 [as 編集長]
芝田山 康(第62代横綱・大乃国) [as 理事長]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    雑誌編集者のは、自分が担当する作家凸川隆二を追って、ときわという田舎町を訪れた。凸川が明多川賞の候補にノミネートされたため、編集長に命令され凸川を連れ戻そうとしていたのだ。町に着いた静は、早速凸川の部屋に残された名刺のホストクラブを探し当てる。
 店には客が一人もおらず、彼女を出迎えたのは町でNo.1のホストであり、町でただ一人のホストでもある江田、江田の小学校以来の同級生で今は腰巾着のような警官岡本、江田の愛人で店のママの順子、それに急遽キャバクラに業種替えをした店のホステスノラという怪しい面々だった。静は彼らに凸川の消息を尋ねると、最初はシラを斬ったり誤魔化したりしていた4人が、徐々に語り出した事実は驚くべきものだった。
 25年ぶりに故郷のときわにひょっこり現れた幼馴染みの愛称“凸やん”が実は小説家で、彼の人気小説「鈍獣」に登場する江本と岡田は明らかに江田と岡本であり、そこに描かれているのがすべて実話であることを知った2人は動揺した。そして、次々と過去の出来事が暴露されるのを食い止めるために、あろうことか凸やんの殺害を企てたのだ。ところが、殺鼠剤がたっぷり入った水割りを何杯飲んでも、トリカブトが入った料理を食べさせられても、翌日にはケロッとして凸やんは店に訪れるのだ。
 殺されても殺されても死なない凸やんは、自分が殺されようとしていることにも気づかないほど鈍〜い男だった。そして、静が訪れる少し前にも何度目かの凸やん殺害が実行されたばかりだった。ついに凸やんが死んでしまったと、なぜか意気消沈する面々。しかしその時、動き出したエレベーターが店のある4階で停止した。そして、中から傷だらけの凸やんが現れる・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    う〜ん・・・・・どうやら、何も考えずにクドカン・ワールドに浸るべき作品のようだ。ワケのわからないまま最後まで引きずられ、ラストではちょっぴりホロッとさせられる、そんなナマズのようにつかみ所の内作品。随所に散りばめられた小ネタは笑えるのだが、全体的にブラック・ユーモアで覆われているために、素直に笑っていいものか判断に苦しむ。
 殺されても殺されてもな人懐っこい笑顔で現れる浅野忠信扮する凸やんが、ある意味ターミネーターのようでちょっとコワイ。対する北村一輝のキレっぷりと、海中で揺れるコンブのように主体性のないユースケの演技が不思議と調和していて違和感を感じさせないのはさすがだ。それと、久しぶりにお目にかかった南野陽子が、42歳という年齢にもかかわらず前にも増して美しいのが嬉しかった反面、彼女のああいう役柄を演じるようになるとは、その演技力の成長を素直に喜ぶべきなのか、それとも悲しんでいいものか、実に微妙な気持ちにさせられた。