評     価  

 
       
File No. 0987  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月22日  
       
製  作  国   アメリカ / イギリス  
       
監      督   ケヴィン・マクドナルド  
       
上 映 時 間   127分  
       
公開時コピー  
暴くのか、逃げるのか
それは、一人の新聞記者が見た“現代版アメリカ最大の闇”。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ラッセル・クロウ [as カル・マカフリー]
ベン・アフレック [as スティーヴン・コリンズ]
レイチェル・マクアダムス [as デラ・フライ]
ヘレン・ミレン [as キャメロン・リン]
ジェイソン・ベイトマン [as ドミニク・フォイ]
ロビン・ライト・ペン [as アン・コリンズ]
ジェフ・ダニエルズ [as ジョージ・ファーガス]
マリア・セイヤー [as ソニア・ベーカー]
 
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あ ら す じ    ワシントンD.C.で二つの事件が発生する。ドラッグ中毒の黒人少年スタッグがが射殺され、偶然通りかかったピザ配達人までも口封じのために撃たれた事件と、気鋭の国会議員スティーヴン・コリンズの助手として軍事企業の調査に当たっていた女性職員ソニア・ベーカーが通勤途中の地下鉄で自殺した事件だった。テレビの画面には、ソニアが亡くなったという悲報に涙し、彼女と不倫の関係にあったことを認めたスティーヴンが映し出されていた。それを苦々しく見ていたのは、地元紙の敏腕記者カル・マカフリーで、彼とスティーヴンは大学時代からの友人だった。カルの元にはWeb記事を書いている女性記者デラ・フライがスティーヴンに関する質問に訪れるが、親友の窮状に心を痛めるカルは彼女の質問にはまともに答えようとしなかった。
 その夜、マスコミに追われて行き場を失ったスティーヴンが、カルのアパートに訪れる。スティーヴンはカルに、前の夜を一緒に過ごしたことを明かしたうえに彼女からのテレビ電話をも見せ、ソニアが自殺するはずがないと強く主張する。そして翌日、カルは担当するスタッグ殺害事件を調べるために遺体安置所を訪れ、スタッグの所持品であった携帯の通話履歴から驚くべき事実を知る。スタッグは死ぬ直前にソニアに電話をかけていたのだ。さらにスタッグの恋人から、窃盗の常習犯であるスタッグが盗んだブリーフケースに、何者かがソニアを盗撮した数枚の写真と拳銃が入っていという情報を得た。一見無関係に見えた2つの事件は、実は同一人物による殺人ではないかという可能性が生まれたのだ。カルは社に戻ると、上司のキャメロンに事情を説明し、デラとチームを組んで本腰を入れて事件の真相究明に乗り出すのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    これでいいのか、ラッセル・クロウ?役作りのためとは聞いているが、それにしても太り過ぎじゃないのか?このままじゃデブキャラしか役が回ってこないぞ。おまけに、似合わない長髪に無精髭まで・・・・・ボロを着て上野の地下道に寝転んでいたら、あまりに馴染みすぎて誰も気づかないんじゃないだろうか。まぁ、見た目はともかくとして演技の方はさすがで、真実を追究するためなら手段を選ばない、ジャーナリストとしての本能の塊のような男を好演している。
 ある殺人事件と地下鉄での事故死から端を発し、ラッセル・クロウ扮する主人公カルがその2つの事件に接点を見いだす辺りから観る者はグイグイと引き込まれていき、次々と謎が明かされるスリリングな展開から目が離せなくなる。新聞記者としての正義感と職業意識から事件を究明していくカルが、自らの手でたどり着いた真実のために、記者としての自分と人間としての自分の板挟みにあって苦渋の選択を迫られる。「記者である前に自分は人間だ」、などという逃げ道を彼の倫理観は許さないのだ。そんなカルとチームを組む美人記者のデラ・フライに扮するのが、あの『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムスというのが嬉しい。髪をショートカットにした彼女が前にも増してキュートに感じられる。実は、この作品を観た理由の半分は彼女が出演することだったりするのだ(笑)。
 そしてもう一人の主要な登場人物が、“ハリウッドの嶋田久作”(と私が勝手に呼んでいる)ことベン・アフレックで(と言うより、嶋田久作を“日本のベン・アフレック”と呼ぶ方が適切かも)、相変わらずあのモアイ顔は好きにはなれないものの、この作品で見せる役柄をしっかりとわきまえた演技は悪くなかった。