評     価  

 
       
File No. 0992  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月29日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   J・J・エイブラムス  
       
上 映 時 間   126分  
       
公開時コピー   なぜ挑むのか  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クリス・パイン [as ジェームズ・T・カーク]
ザカリー・クイント [as スポック]
ウィノナ・ライダー [as アマンダ・グレイソン]
ゾーイ・サルダナ [as ウフーラ]
ジョン・チョウ [as スールー]
ベン・クロス [as サレック]
ブルース・グリーンウッド [as パイク]
サイモン・ペッグ [as スコット]
カール・アーバン [as ドクター・マッコイ]
アントン・イェルチン [as チェコフ]
エリック・バナ [as ネロ]
レナード・ニモイ [as 未来のスポック]
 
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あ ら す じ    宇宙船USSケルヴィン号が突如現れた畏敬の大型艦から攻撃を受ける。緊急脱出用のシャトルの中でジェームズ・T・カークは生を受けた。彼の父は、キャプテンが敵艦との交渉に向かって戻らない中、代理でキャプテンに命じられ、自らが犠牲となって800人の乗員を救ったのだった。
 22年後。未だ自分の進むべき道を見つけられずに無軌道に生きる青年カークは、ある日父の最後を知る惑星連邦艦隊のパイクと出会う。パイクは新型艦USSエンタープライズ号の初代キャプテンに任命されており、カークに「父を超える男になってみろ」と檄を飛ばす。その言葉に目を開かれたように、カークは惑星連邦艦隊に志願した。それから3年の月日が流れ、カークは抜群の適正を誇りながらもトラブルの絶えない性格が災いして、士官への壁を越えられずにいた。そんなある日、緊急事態が発生し、同期の仲間たちが出動していく中、カークは謹慎中のために待機を命じられていた。しかし、友人である医療班のボーンズの手助けで、まんまとエンタープライズに潜り込むことに成功する。
 キャプテンの下、エンタープライズのサブ・リーダーを務めるのは、カークの謹慎の原因ともなったバルカン人と地球人の混血のスポックだった。高い知能を持ち、常に論理的に行動し感情を表に出すことのないスポックは、直情的で己の直感のままに動くカークとは正反対の人物で、2人は互いを相容れない存在としてことあるごとに対立するのだが・・・・・。
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たぴおか的コメント    『スター・トレック』という作品には全く思い入れもなく、遙か昔に旧3作目の『ミスター・スポックを探せ!』を観たことはあるものの、その時の記憶はほとんど残っていない。今回のキャストの中でも、誰だったか忘れたが、インタビューに答えて「テレビで『スター・トレック』をやっていると他のチャンネルに変えた」なんてコメントしている人がいるほどで、すでに前世紀の遺物と化している、そんな印象の作品だった。スポックのとんがり耳も気に入らないし(笑)。そんなマイナスのイメージばかりが先行したため、劇場で観るつもりは当初なかったのだが、前評判があまりにも高いために急遽初日の夜に劇場へ行ってみた。
 ところが実際に観てみると、これが理屈抜きで面白い。私のようなアンチ・トレッッキイーが観ても、壮大なスケールで描かれたスペース・オペラ(死語?)にはグイグイと引き込まれていき、初めて観て以来今日まで「なんて不格好なんだ」とず〜っと思居続けていたエンタープライズ号でさえ、スクリーンに登場すると思わず背筋に鳥肌が立つ始末だった(ヤバイ、J・J・エイブラムスに感化されてしまったかも)。新旧スポックが登場するのを観るにつけ、よくもまぁレナード・ニモイのイメージを損なわない役者を見つけてきたものだとほとほと感心する。それにしても、初代スポック、さすがに老けたなぁ・・・・。
 内容は今風にいえば『スター・トレック ビギンズ』とでも言うべき、あくまで導入編的なスタンスの作りだったが、当然ヒットすれば続編の制作も視野に入っているのだろう。かつての名作をリメイクした場合、イメージダウンになってしまうことが大半なのだが、その点私は旧劇場作品をほとんど知らず、愛着も思い入れもないために、それが却って幸いしているようだ。旧作を知らない新規のファンを獲得するという意味でも、エポック・メイキング的な秀作に仕上がっているのではないだろうか。