評     価  

 
       
File No. 0994  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年05月30日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   P・J・ホーガン  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   幸せ検索中のあなたに贈ります。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アイラ・フィッシャー [as レベッカ・ブルームウッド]
ヒュー・ダンシー [as ルーク・ブランドン]
ジョーン・キューザック [as ジェーン・ブルームウッド]
ジョン・グッドマン [as グレアム・ブルームウッド]
ジョン・リスゴー [as エドガー・ウェスト]
クリスティン・スコット・トーマス [as アレット・ネイラー]
クリステン・リッター [as スーズ・クリース=スチュアート]
レスリー・ビブ [as アリシア・ビリントン]
 
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あ ら す じ    ニューヨーク。地味な園芸雑誌の編集部で働く25歳のレベッカ・ブルームウッドは、一流のファッション誌の記者を夢見ていた。しかし、現実は思う通りにいかず、ストレスが溜まる一方。そんな彼女のストレス解消法、それは買い物だった。レベッカにとってクレジットカードは、お金がなくとも欲しい物が買えてしまう魔法のようなものだった。かなり重症な買い物中毒のレベッカの買い物癖はとどまるところを知らず、あっという間にカードの利用額は1万ドルを超えてしまい、気づいた時にはカードが使用を停止されてしまっていた。
 さすがに危機感を持ったレベッカは、本腰を入れて転職活動を開始した。憧れのファッション誌の求人に応募したものの募集が寸前で締め切られてしまい、代わりに紹介された経済誌の面接を受けることとなったレベッカ。もちろん、経済の詳しい知識などない彼女が採用されるはずもない。ところが、自分で書いた記事をファッション誌の編集部に、悪口を書いた手紙を経済誌の編集長ルーク・ブランドンへそれぞれ送ったところ、なぜかルークから採用の連絡が入る。ファッション誌と経済誌に送った封書の中身が逆になっていたのだ。こうしてレベッカは、親友のスーズから「買い物中毒のあなたが経済誌だなんて悪い冗談」と揶揄されながらも、不似合いな経済誌の記者として働くこととなった。
 ところが、消費者の気持ちを知り尽くしたレベッカが書いた記事は編集長のルークに高く評価され、彼女が匿名で書いた記事は読者の人気を博し、テレビに出演するまでに成功を収めた。すべての幸運の女神が自分に向かって微笑んだように思うレベッカだったが、スタジオの観客席には彼女にとって天敵とも言うべき客がいた。その客とは、彼女が今まで嘘に嘘を重ねてひたすら逃げ回っていた、債権回収の担当者だった。そして、あろうことかテレビカメラの前で、あらいざらいをぶちまけてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    予告編を見る限りはありふれたコメディにしか思えなかったが、実際に観てみるとこれがなかなか侮れない。これを観て「ご都合主義」だなどと批判するような輩は野暮の骨頂で、そもそもご都合主義でハッピーエンドにたどり着かなければこの手のラブコメディの存在価値はないのだ。こういう作品にまで、辛い現実を持ち込むことはない、少なくとも観ている間は辛い現実から逃避できる安息所のようなものでなければならないと思う。
 実際に今アメリカでは、カードのリボ払いで多額の債務を抱える消費者が問題になっているらしい。いくら使っても限度額の枠内であれば返済額は一定であるために、ついついカードで買い物をして気がつけば債務の総額が数千ドルや下手をすると1万ドル超えるような人が少なくないとのこと。買い物をしたその場では懐が痛むわけでもない、しかし繰り返すことによってやがては返済不能な額にまで債務が膨れあがってしまう。クレジットカードは魔法でもあるが、麻薬のような側面も持っていることを忘れちゃいけない。
 主役のレベッカを演じたアイラ・フィッシャーの実年齢は33歳とのことで、申し訳ないが劇中の設定である25歳には見えないものの、キュートでいい味を出している。面接でルーク質問に対する返答に詰まった時やフィンランド人であるノキアの社長の通訳をせざるを得なくなった時など、自分の立場か悪くなってすっとぼける演技が最高だ。ルークを演じるヒュー・ダンシーも役柄にマッチしていていい。親の七光りや金にものを言わせずに自力でのし上がろうとするが、しかし金の使い方を知らないのではなく、レベッカのために“緑のスカーフ”を買い戻すなど、観ている者の期待に応えてるくれるのが嬉しい。