評     価  

 
       
File No. 0995  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年05月29日  
       
製  作  国   香  港 / フランス  
       
監      督   クリス・ナオン  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー  
斬り開く
私の運命
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   GIANNA(チョン・ジヒョン) [as サヤ]
アリソン・ミラー [as アリス]
小雪 [as オニゲン]
リーアム・カニンガム [as マイケル]
JJ・フェイルド [as ルーク]
倉田 保昭 [as カトウ]
コリン・サーモン [as ミスター・パウエル]
 
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あ ら す じ    1970年の日本。アメリカ空軍関東基地で、明らかにオニの仕業と思われる殺人が立て続けに発生する。オニ殲滅のために創設された裏組織のリーダーマイケルは、現地のハイスクールに一人の少女を送り込む。彼女の名はサヤ、すべてのオニの起源であり父を殺した究極のオニ・オニゲンを倒すために、利害関係が一致した組織と手を組み、オニの処刑人としてオニとの戦いに明け暮れる日々を送っていた。
 サヤが転入早々に、同じクラスの女生徒アリスが放課後に剣道部の練習が終わった後、顧問のパウエルから居残りを命じられる。ところが体育館に誰もいなくなると、練習相手として残った2人の部員が真剣でアリスに襲いかかってくる。2人は人間ではなく、オニが化けていたのだ。それに気づいたサヤはアリスを助けて体育館から閉め出し、2匹のオニを一瞬にして斬り捨てる。一方、アリスはなぜ二人の生徒に自分を襲わせたのか、その真相を確かめるためパウエルが行きつけの酒場を訪れる。そこで彼女が見たものはパウエルの真の姿で、彼のみならず店に居合わせた客はは全員がオニだった。
 オニたちに囲まれて絶体絶命の状態に追い込まれたアリスを助けに現れたのはサヤだった。無数のオニを倒してオニの群れから逃れたサヤは、アリスに今まで見たことを忘れるよう言い残して別れた。しかし、アリスが帰宅すると、サヤの存在に不信感を抱いて調べたことが理由で、父親が組織の人間に殺されていた。身寄りをなくしたアリスは、すべての真相を問い糾すためにサヤのもとへと向かう。そして、サヤが実は人間とオニの混血であること、サヤは父親をオニゲンに殺されてその家臣のカトウに育てられたこと、以来オニゲンを倒すためだけに生きてきたことを知らされるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    制作が香港とフランスで主演女優は韓国、舞台は日本で言葉は英語・・・・・なんとも国籍不明な作品ができあがったものだ。主人公のサヤを演じたのは、『猟奇的な彼女』『デイジー』のチョン・ジヒョンだが、今回の作品のクレジットでは“GIANNA”となっていた。想像するに、今後の彼女の海外進出を睨んで、海外作品向けに新たに付けられた芸名なのだろう。その名前が広まることなく消えてしまうようなことにならないといいのだが。
 この作品、日本人が主人公なのにもかかわらず、なぜ主役がチョン・ジヒョンなのかと考えるにつけ、同世代の日本人女優にこれだけのアクションをこなせる人材が思い当たらないという、ちょっと寂しい事実に気がついてしまった。もちろん、先週の『チョコレート・ファイター』のジージャーのような真似はチョン・ジヒョンにも到底無理だから、CGやワイヤーアクションがふんだんに使われており、それが非常に漫画チックに見えてしまうという弊害はある。また、肝心のオニのCGはもうちょっとマシにできなかったものだろうか。造り物感が露骨に見て取れて、怖さよりも滑稽さを感じてしまう。オニの親玉であるオニゲンを演じた小雪は、白装束に身を包んだその妖艶なまでの美しさに目を奪われてしまい、どうしても極悪非道な悪人には見えないんだな。そのせか、クライマックスでも本来ならサヤに感情移入すべきところを、小雪扮するオニゲンにも死んで欲しくないなどという余計な感情が邪魔をして、今ひとつ盛り上がりに欠けてしまった。
 それにしても、以前ならチョン・ジヒョンが主演というだけで満足していたはずの私なのだが、今回この作品を観ても彼女にそれほど魅力を感じず、作品自体も今ひとつに思えたのは、やはり韓国版『カンナさん大成功です!』のキム・アジュンを観た影響が大きいことをつくづく痛感した。