評     価  

 
       
File No. 0998  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2009年06月06日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   メリッサ・ウォーラック  
       
上 映 時 間   97分  
       
公開時コピー   不器用男の生態系、
ちょっと変えてみませんか?
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アーロン・エッカート [as ビル]
ジェシカ・アルバ [as ルーシー]
エリザベス・バンクス [as ジェシカ]
ローガン・ラーマン [as ビルの母校の生徒]
ホームズ・オズボーン [as ジョン・ジャコビー]
ティモシー・オリファント [as チップ・ジョンソン]
 
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あ ら す じ    チョコレート菓子に目がなく、おかげで立派なメタボ腹を誇るビルは、地元の名士ジョン・ジャコビーの美しい娘ジェシカと結婚して、ジャコビーが経営する銀行の役員に籍を置く30代半ばの冴えない男だった。職場では他の役員はおろか部下からも見下され、義父の趣味である狩猟にも馴染めず、悶々とした日々を送っていた。
 そんなある日、ビルは妻ジェスが直撃取材で人気のTVレポーターのチップ・ジョンソンと浮気しているのではないかという疑惑を抱き、寝室にビデオカメラをセットして狩猟に出かける。却ってビデオを観てみると、案の定そこにはチップと思わしき男とジェスのあられもない姿が録画されていた。ビルは怒りのあまりチップの取材現場に乗り込んで殴打してしまい、その醜態の一部始終生中継で放映されてしまう。
 そんなビルを、指導員として指名してきた母校の生徒がいた。彼はそれ以来ビルにつきまとい、次第にビルの最大の理解者となっていく。そして、彼はビルを再起させるために次々と策を講じる。まずは、妻ジェスを取り戻した目に、知り合いのランジェリーショップ店員ルーシーをビルに紹介した。ビルがルーシーと一緒のところをジェスに見せ、嫉妬させようと考えたのだ。それと同時に、ビルはダイエットのために水泳を始め、服装も新調して外観も磨かれていく。そして、かねてから考えていたドーナツショップのフランチャイズ開業のため、ルーシーを妻と偽って同伴して契約にこぎ着けるのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    予告編を観ただけでは、アーロン・エッカート扮するビルとジェシカ・アルバ扮するルーシーが恋に落ちるストーリーに思えるため、期待して劇場へ向かったのだがとんだ肩すかしを食らってしまった。クレジットでは2番目に位置するジェシカは、ふたを開けてみると完全な端役で、ほとんどはアーロン・エッカートの一人舞台といった印象が強い。しかも、準主役ともいうべき役割を演じているのは彼女よりもむしろ、妻・ジェシカに扮するエリザベス・バンクスか、高校生を演じたローガン・ラーマンだ。ジェシカを全面に押し出したのは、作品の観客動員のために彼女の人気とネームバリューを利用したかっただけだとしか思えない。せっかくジェシカ・アルバを登場させるのだから、もっと彼女を生かした内容にすべきで、こんな使い方ではあまりにもったいなさ過ぎる。
 いつの間にあれほどメタボ化したのか、アーロン・エッカートの見事な中年腹が見苦しい(笑)。その意味では、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるように、明日は我が身とならないよう生活習慣に配慮するするきっかけを与えてくれる作品ではある。まぁ、そんなことはどうでもよく、肝心の内容はというと、最初はビルとルーシーの恋物語かと思うのだがそうではなく、一念発起してスリムになり妻を見返すのかと思えばそれもまた違い、妻と和解して2人でドーナツショップを経営するのかと思えばそれも違い、結局何が言いたいのかがさっぱりわからない。そもそも邦題の『幸せのセラピー』が、観る者を勘違いさせる最大の原因だろう。あらゆる面で今ひとつ物足りなさを感じた作品だった。