評     価  

 
       
File No. 1007  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年06月06日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   ディアーヌ・キュリス  
       
上 映 時 間   122分  
       
公開時コピー  
愛も、名声も、贅沢も
ぜんぶ手に入れて、失って。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   シルヴィー・テステュー [as フランソワーズ・サガン]
ピエール・パルマード [as ジャック・シャゾ]
ジャンヌ・バリバール [as ペギー・ロッシュ]
アリエル・ドンバール [as アストリッド]
リオネル・アベランスキ [as ベルナール・フランク]
ギョーム・ガリエンヌ [as ジャック・コワレ]
ドゥニ・ポダリデス [as ギイ・シェレール]
マルゴ・アバスカル [as フロランス・マルロー]
 
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あ ら す じ    18歳の時に出版した小説『悲しみよ こんにちは』が世界的なベストセラーとなり、一躍時代の寵児となったフランソワーズ・サガン。若くして富と名声を得たサガンは、気ままに贅沢な暮らしと自由奔放な恋を楽しんでいた。そんなある日、彼女は自らが運転するスポーツカーで事故を起こしてしまい、瀕死の重傷を負ってしまう。幸いにも九死に一生を得たサガンだったが、このときに鎮痛剤を多用したことがきっかけで、やがてクスリにのめり込む生活を送るようになるのだった。
 そんな彼女の恋の相手から結婚相手に選ばれたのは、ギイ・シェレールだった。しかし、彼女の結婚生活は長くは続かず、やがて破局を迎える。そして彼女の2度目の結婚では一人息子に恵まれるが、これもまた失敗に終わってしまう。結婚の失敗による痛手から逃れるように執筆するサガンは、以前にも増して酒や浪費にのめり込む。そして、追い打ちをかけるようにサガンを長い間支え続けてくれた親友のペギー・ロッシュが、癌に冒されてサガンの元から離れていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    フランスの女性作家で、代表作が『悲しみよ こんにちは』・・・・・これが私がサガンに関して知っていた全てだ。学生時代に海外の著名な作家の代表作を片っ端から読破した私なのだが、サガンはどちらかと言えば通俗的な作家というイメージがあって(例えて言うなら、シドニイ・シェルダンのような位置づけの作家だろうか)、今ひとつ読んでみようという意欲が湧いてこなかったのだ。そして、多分女性客が多いであろうこの作品を観ることに決めた理由の一つには、チラシに写っているサガン役のシルヴィー・テステューがかなりの美人に見えたことがあった。しかし、チラシの画像はおそらく彼女がもっとも美しく見える一瞬を写し取ったものであり、上映が始まってすぐにチラシに騙されたことに気づいてしまった(笑)。
 とかく芸術的な才能に長けた天才たちは、えてしてどこか一般人の持つ常識的な感覚が欠落しているものだが、サガンに関しては明らかに金銭についての認識がフツーじゃない。そして、それが故に大金を稼いでもあっという間に浪費してしまい、晩年は金がないことに起因する苦労は並大抵ではなかったようだ。にもかかわらずサガンに全く共感できず、身から出た錆だとしか感じられないのは、この作品のサガンの人間性に関する描き込みが致命的に不足しているためであり、星を5個しかつけられなかった理由もその点にある。加えて、盛り上がりが全くないままに淡々と情景の描写に終始した映像は、とてもじゃないが面白いなどという感情が湧いてくるはずもなく、従ってサガンという人物に対する興味も持てようはずがない。この手の伝記的作品の中でも、私がもっとも苦手とするタイプの作品だった。さらには、登場人物の誰がどういう相関関係にあるのかがとても把握しづらい。上映が終わって劇場から出る際、同じ不満をこぼしていた人が複数いたことからもそれは明らかだろう。