評     価  

 
       
File No. 1012  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年06月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   大岡 俊彦  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   わすれないでね
好きだと必ず
帰ってこられるの。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   深澤 嵐 [as ヨシオ]
ともさか りえ [as 美津子]
萩原 聖人 [as 茂幸]
モト冬樹 [as 清じい]
蓮仏 美沙子 [as みさこ/ミサエ]
柄本 時生 [as 哲]
江口 のりこ [as 友人]
上村 響 [as たけし]
村中 龍人 [as ヤス
中村 凛太郎 [as トモ]
白川 裕太 [as マツ]
窪田 傑之 [as きょうちゃん]
宮本 愛子 [as みき]
池松 壮亮 [as 大学生のヨシオ]
岡村 隆史 [as あずき洗い]
吉行 和子 [as 池子]
蒼井 優 [as いけちゃんの声]
 
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あ ら す じ    小学生のヨシオのそばには、いつの頃からか“いけちゃん”という不思議な生き物がいた。いつもヨシオのそばに一緒にいてくれる“いけちゃん”は、色も形も変幻自在だが、その姿も声もヨシオ以外の人間には見ることも聞くこともできなかった。
 ある日、ヨシオの父親茂幸が浮気相手の部屋からの帰りに事故で亡くなってしまう。母親の美津子は、一人でヨシオを養っていくために仕事にでる時間を増やし、ヨシオはひとりでいる時間が多くなるが、そんなヨシオの話し相手になってくれたのもいけちゃんだった。
 いけちゃんはどうやら将来のヨシオのことを知っているらしいが、その理由を教えてはくれない。そして、ヨシオが自分の力で問題を解決し、ひとつひとつ成長して行くにつれ、ヨシオにもだんだんいけちゃんの姿が見えなくなっていく。やがていけちゃんと過ごす最後の日が訪れ、いけちゃんはヨシオを背中に乗せて空を飛び立ち、ヨシオにある光景を見せるのだった・・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「絶対泣ける本 第1位」とのことで、さすがに泣けはしなかったが悪くない作品だとは思う。主演の深澤嵐君は相変わらず演技達者で安心して観ていられるし、観る前はちょっと不安を感じていた蒼井優のいけちゃんも良かった。
 私はてっきりいけちゃんとヨシオの出会いから始まるのかと思っていたが、その部分は省略されていたのか、すでに当たり前のようにヨシオのそばにはいつもいけちゃんがいた。普通はいけちゃんのような得体の知れない物体が突然現れたら、慣れて打ち解けるまでには様々なエピソードがあると思われ、その辺りの経緯を知りたいような気もした。そのいけちゃんの造形だが、真っ黒でまん丸な目と口だけというシンプルさが愛嬌を感じさせる。そして、時には熱を出したヨシオのために氷嚢になったり、自由自在に色と形が変わるのが面白い。
 ヨシオを取り巻く環境は、おそらく誰もが幼い頃に似通った経験をしたのではないだろうか。近所のガキ大将のいじめ、歳上の女性への憧れ、子供らしい悪戯や喧嘩に仲直りなどなど。そして、いけちゃんはヨシオが壁にぶつかった時、それを見守るだけで決して手を貸そうとしないのには好感が持てる。それはおそらく、自力で壁を乗り越えることで子供は成長していくのだという教訓なのだろう。あるいは、いけちゃんがいけちゃんでいられるための破ってはならないルールだったのかもしれない。
 どうでもいいことなのだが、作品中にいわゆるお化けが登場するのはわかるのだが、その中にナイナイの岡村が妖怪・小豆洗いに扮して登場するのは一体何の意味があるのだろうか?松竹の『妖怪大戦争』とのつながりを持たせることに意味があるとは思えないのだが。