評     価  

 
       
File No. 1016  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年07月04日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   鈴木 卓爾  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   ここにいるよ。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   星野 真里 [as ハル]
江口 のりこ [as 真由子]
宮崎 将 [as 鈴木]
品川 徹 [as 猫仙人]
諏訪 太朗 [as 僧侶らしい男]
寺 十吾 [as 編集者]
岡部 尚 [as 健吾]
瀬々 敬久 [as 植木に水をやる男]
黒沢 久子 [as 猫に餌をやる女]
麻生 美代子 [as 大家]
徳井 優 [as 古本屋の主人]
坂井 真紀 [as 古本屋の奥さん]
 
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あ ら す じ    下町の古本屋でバイトするイラストレーターのハルは、“猫ストーカー”を自称する猫好きで、町中で猫を見かけるとついつい後を追いかけてはデジカメで撮影していた。バイト先では、同僚の真由子や本がとにかく好きで言葉数の少ない主人やその奥さん、そして2人が飼っている猫のチビトムに囲まれて、緩やかでまったりとした時間を過ごす毎日だった。
 故郷にいる元彼はいつもハルにリンゴを送ってくれるが、近々結婚するという。まちの至る所で出会う店の常連の鈴木さんは、実はハルに興味があってつきまとっていた。そして、本屋のご主人と奥さんの間に、ご主人の昔の恋人のことで不穏な空気が流れていた。そんな中、ある日チビトムが姿を消してしまい、チビトムを探すかのように奥さんもまた店に戻らなくなってしまい・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    イラストレーター浅生ハルミンの同名エッセイをモチーフにした作品で、浅生氏自身が“猫ストーカー”と称して猫を追いかけていたとのことで、おそらくは星野真里扮する主人公のハルとは浅生ハルミン氏の“ハル”からきていて、本人の実体験が描かれているのだと思われる。そして、登場する猫たちは、古本屋のマスコット・チビトム(全然チビじゃない)役の俳優猫タラオ以外は、すべて谷中、根津、千駄木辺りの“谷根千”で暮らす野良猫や家猫だとのこと。撮影にはさぞかし苦労が伴っただろうことは想像できる。
 実は当初この作品を観るつもりはなかったのだが、新宿ピカデリーに行く途中にシネマート新宿に寄ってみて、初日舞台挨拶のチケットがまだあること、しかも料金が前売りの1,500円であることがわかり、だったらいいかと衝動的に買ってしまったのだ。そして、舞台挨拶で鈴木監督が言っていた通り、猫と人間との触れ合いをメインに作られているため、どうしてもドラマ性に欠けるのは否めない。
 冒頭からいきなりハルが猫ストーカーをするシーンで始まり、最初は台詞も登場人物もなしにこのまま終わるのではないか、などという危惧を抱かされた。そして、やっと台詞が入ってきたかと思ったら、実に他愛ない日常会話ばかりで、朝一番の回にもかかわらずついつい睡魔に誘われてしまった。いくら猫と人間をメインにとは言っても、やはりそこに何らかの盛り上がりが用意されるべきではないだろうか。これでは、誰が主役を演じてだれが脇を固めようが、俳優たちの個性も何もあったもんじゃない。最初から期待していなかったから、こんな結果に終わっても仕方ないといえば仕方ないのだが。