評 価
File No.
1019
製作年 / 公開日
2009年 / 2009年07月10日
製 作 国
アメリカ
監 督
アレックス・プロヤス
上 映 時 間
122分
公開時コピー
人類は知る
未来はすでに「通達」されていることを。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ニコラス・ケイジ
[as ジョン・ケストラー]
ローズ・バーン
[as ダイアナ・ウェイランド]
チャンドラー・カンタベリー
[as ケイレブ・ケストラー]
ララ・ロビンソン
[as ルシンダ・エンブリー/アビー・ウェイランド]
ベン・メンデルソーン
[as フィル・ベックマン]
ナディア・タウンゼンド
[as グレース・ケストラー]
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あ ら す じ
とある小学校で行われた記念式典で、50年前に埋められたタイムカプセルが掘り起こされ、50年前に書かれたメッセージは一通ずつ子供たちによって開封された。マサチューセッツ工科大教授
ジョン・ケストラー
の息子
ケイレブ
が受け取ったメッセージには、1枚の紙いっぱいに不可解な数字の羅列が記載されていた。数列に何らかの法則があるのではないかと考えたジョンは、様々な角度から数列の検証を開始した。
数列を調べていたジョンの目が、あるブロックに釘付けになった。そこに書かれていた数字は“299691101”で、ジョンはそれが2001年9月11日に2,996人が亡くなった同時多発テロを示しているのではないかと考えた。そして、他の数字もブロックに分けてみると、驚くべきことにいずれも過去に大惨事が起きた年月日と犠牲者数にピッタリと一致していたのだ。しかも、数字には過去の出来事だけではなく、未来に起きるであろう惨事をも示していた。そして、次に予言された大惨事は、あろうことかジョンの目の前で勃発した。旅客機が墜落事故を起こし、メッセージに書かれた通り81人が犠牲となったのだ。
もはやジョンの仮説は確信に変わり、彼はそのメッセージを残したという女性
ルシンダ・エンブリー
の消息を小学校に尋ねたた、彼女は既に亡くなっていることを知らされる。そこでジョンは、ルシンダの娘
ダイアナ・ウェイランド
に接触を図り、彼女の理解を取り付けると、彼女と共に最期に記された数字の解明にあたった。間もなく起きるであろう大惨事の日付の後に記された“EE”の文字は一体何を意味するのか?ジョンとダイアナは謎を解明して、ルシンダが予言した大惨事を未然に防ぐことができるのだろうか・・・・・?
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たぴおか的コメント
まるでローランド・エメリッヒ作品を思わせるような、壮大なスケールの作品。敢えて観る者をじらすかのように抑え気味に序盤はスタートし、徐々に数字の謎が解明されていく辺りのストーリー運びは上手く、知らず知らずのうちにストーリーに引き込まれていく。そこまでは抜群に面白い展開だったのだが、結局オチはやはり異星人だったとは・・・・・しかも、この作品と同じオチの作品に私は昔出会った記憶があったのだ。
その作品とは、今を遡ること30年以上も昔の1975年に、某国営放送で放映されたSF連続ドラマ『赤外音楽』だ。ここからはネタバレになる可能性があるので、例によって読みたい人だけはどうぞ。
ドラマ『赤外音楽』のあらすじは次のようなものだったと思う。
ある日ラジオで流された曲、確か「美しく青きドナウ」だったと記憶しているが、それはある人には聞こえるが、ある人には聞こえないものだった。それは通常では聞き取ることができない特殊な周波数で放送されていたためで、目に見えない赤外線のような音楽つまり“赤外音楽”だった。そして、赤外音楽を放送したのは天本英世扮が所長に扮するミュータント研究所で、実は彼らの正体は地球の滅亡を察知した異星人の集団であり、彼らの世界に適応していける人間すなわち赤外音楽を聞き取ることのできる人間だけを助け出そうとしていた、というものだった。主人公の少年も赤外音楽を聞くことのできるひとりだったが、結局は地球に残る道を選んだ、と私は記憶している。
前半の謎解きはともかく、異星人の手段や目的は赤外音楽と全く同じで、これが30年以上も昔だからいいようなものの、下手をすると著作権法に抵触しかねない内容で、この作品の原案・脚本を担当したライン・ダグラス・ピアソンは『赤外音楽』を観ていたのではないかと邪推したくなるほどだ。ラストでは希望にあふれる、それでいてちょっぴり切ない後味が残る作品だった。