評 価
File No.
1020
製作年 / 公開日
2008年 / 2009年07月11日
製 作 国
アメリカ
監 督
クリスティン・ジェフズ
上 映 時 間
92分
公開時コピー
崖ぷち姉妹、
事件現場のクリーニング始めました。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
エイミー・アダムス
[as ローズ・ローコウスキ]
エミリー・ブラント
[as ノラ・ローコウスキ]
ジェイソン・スペヴァック
[as オスカー・ローコウスキ]
メアリー・リン・ライスカブ
[as リン]
クリフトン・コリンズ・Jr
[as ウィンストン]
エリック・クリスチャン・オルセン
[as ランディ]
ケヴィン・チャップマン
[as カール]
スティーヴ・ザーン
[as マック]
アラン・アーキン
[as ジョー・ローコウスキ]
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あ ら す じ
高校時代はチアリーダーでアイドルだったが、今は当時の恋人と不倫を続けるシングルマザーの姉
ローズ・ローコウスキ
と、未だに定職にも就けずにバイトをクビになった妹
ノラ・ローコウスキ
。ある日ローズは、息子
オスカー
が通う学校から呼び出され、オスカーが手当たり次第に舐め回して困っていると告げられる。おまけに、オスカーを専門医に診せ薬による治療をすべきなどと言われたローズは、オスカーを私立の学校へ転校させようかとまで思い込んだ。しかし、彼女の仕事=ハウスクリーニングから得られる収入では、とうてい費用のかかる私立へオスカーを通わせる余裕などはなかった。
そんな折、ローズは恋人から事件現場の清掃がお金になると聞き、嫌がるノラを無理矢理誘って事件現場のクリーニング業“サンシャイン・クリーニング”を立ち上げた。何の予備知識もなく始めた2人は、初めのうちは同業者からの非難の的になったり、手際も悪く手こずっていたものの、次第に要領をつかんでいき仕事も順調に舞い込むようになっていった。
何もかも順風満帆に運んでいたと思われた“サンシャイン・クリーニング”だったが、ある時思いがけない出来事から転機を迎える。ローズが高校時代の友人のベビーシャワーに誘われていたところへ、仕事の依頼が入ったのだ。後から駆けつけるからとノラを一人で仕事に向かわせたが、ノラの不注意から火事になってしまい、あろうことか清掃を依頼された家屋を全焼させてしまったのだ・・・・・。
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たぴおか的コメント
『扉をたたく人』もそうなのだが、この作品もたった4館からのスタートが600館以上もの劇場に広がったという曰く付きの作品。しかも、あの『リトル・ミス・サンシャイン』チームが制作した作品とのことで、前評判は上々なのだが、観て見ると今ひとつな出来に正直落胆させられてしまった。もっとも、例によって例のごとく半分はエイミー・アダムスが目当てで観たようなものなので、その意味では充分彼女の演技と魅力を満喫はできたのだが(笑)。
エイミー・アダムス扮する姉ローズと、エミリー・グラント扮する妹ノラの姉妹関係は、ありがちなベッタリ仲良しでもその逆でもなく、実に自然でいい。しかし、2人とも未だに人生の進むべき方向を見つけられずにいる、いわゆるダメ姉妹だと言えるだろう。そして、彼女らに輪をかけたダメダメぶりを発揮しているのが父親のジョーで、「この父にしてこの娘あり」を地でいっているような体たらくだ。つまり、この作品は実は2人の姉妹ではなく、彼女らをも含めた家族全員の再起の物語でもあったりする。
最初はただお金になるという理由だけから始めた事件現場の清掃だったが、やがてある事件をきっかけに姉妹の仲に決定的な亀裂が生まれる。しかし、そのことがかえって冷静に自分を見つめ直す契機となり、ローズは不倫の関係を清算し、ノラは無意識に姉に依存していたことを知り、初めて自分の力で生きていこうと決心する。事件現場の汚れを落としながらも実は、自分たちの心の中にあったわだかまりや迷い、過去に負った傷、さらには決別すべき今までの自分を洗い流していたのかもしれない。そして、問題の父親も家を売り払ってまでまたしても怪しげな商売を始めるのかと思いきや、彼の言葉通り間違いないパートナーを見つけ堅実に歩き始めて、すべてがハッピーエンドでめでたしめでたし、といったところだろう。