評     価  

 
       
File No. 1022  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2009年07月11日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   ウォン・シニョン  
       
上 映 時 間   125分  
       
公開時コピー   きっと娘を救ってみせる。
世界を敵にまわしても。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   キム・ユンジン [as ユ・ジヨン]
キム・ミスク [as ハン・スッキ]
パク・ヒスン [as キム・ソンヨル]
チャン・ハンソン [as 事務長]
チェ・ミョンス [as チョン・チョルチン]
チョン・ドンファン [as カン・サンマン]
ヤン・ジヌ [as カン・ジウォン]
オ・グァンノク [as ヤン・チャング]
イ・ラヘ [as ウニョン]
イ・ジョンホン [as チェ検事]
オク・ジヨン [as チェ・ギョンスク]
チョ・ドッキョン [as ブルース・チョン]
 
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あ ら す じ    8歳の娘ウニョンと暮らす、シングルマザーのユ・ジヨンは極めて優秀で弁護士で、弁護を引き受けた事件では負け知らずの勝率100%を誇っていた。仕事が忙しいためになかなか娘をかまってやれないジヨンは、とある木曜日に娘の学校の運動会に参加するが、彼女がリレーで走っている最中にウニョンが姿を消してしまう。何者かに誘拐されてしまったのだった。
 犯人の要求は金銭ではなかった。翌週の水曜日に第二審が開かれる殺人事件の裁判で無罪を勝ち取ること、それが犯人からの要求だった。事件の容疑者チョン・チョルチンは婦女暴行の前科があり、今回の事件でも状況証拠はすべて彼が犯人であることを示しており、第二審の公判まであと3日という猶予期間での弁護は、明らかに無謀といえるものだった。ジヨンは旧友である警官キム・ソンヨルの協力を仰ぎ、事件の捜査を始める。そして、犯人は被害者と顔見知りだと思われること、被害者の遺体から麻薬が検出されたこと、そして犯行に使われた凶器が未だに見つかっていないことを調べ上げた。
 やがて、捜査線上に事件に関わったと思われる新たな人物が浮かび上がってくる。しかし、彼には犯行当日の数日前から入院していたというアリバイがあった。やむを得ずジヨンは犯人が被害者と顔見知りであること、そしてチョン・チョルチンは被害者とは面識がなかった点を立証しようと考えた。ところが、第二審の公判で彼女の弁護方針は脆くも崩れ去った。検察側が招聘した証人の証言で、チョン・チョルチンが被害者と会ったことがないという言葉は真っ赤な嘘であることが証明されてしまったのだ。果たしてジヨンはチョン・チョルチンの無罪を勝ち取り、愛する娘ウニョンを取り戻すことができるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    これは面白い、少なくとも5月に観た同じ韓流サスペンスの『チェイサー』よりは数段面白いと思う。それは決して、本作品の主人公があの『シュリ』で一躍人気を博した韓流美人女優キム・ユンジンなのに対し、『チェイサー』の主演がむさ苦しい野郎のキム・ユンソクだったからというワケではない・・・・・と思う(笑)。
 主人公ジヨンの娘ウニョンが誘拐されるところからストーリーが展開していくが、お約束の身代金の要求は実はカモフラージュで、犯人の真の目的が殺人事件の容疑者を無罪にすることだという意外な展開から興味を惹かれる。そして、ジヨンは誘拐犯からは「娘とは永遠にお別れだ」や「指を切り落とす」などという脅迫を受けるものの、最後では五体満足で命に別状がない娘と再会できるのは、惨い結末の多い韓流作品にしては珍しいのだが、実はそれにもれっきとした理由があってのことだと後にわかる。と同時に、誘拐犯の正体が誰だったかわかり、その依頼の根底にあった思惑に旋律を覚える。そういった細部にまで計算し尽くされたような脚本の素晴らしさがこの作品生命線であり、この作品に星9個という高い評価を着けた理由もその点にある。
 また、韓流作品を観ていてほとほと感心するのは、脇役たちの役柄への徹し方だ。前述の『チェイサー』もそうだったが、この作品でも思わず絞め殺してやりたいという衝動を覚えるほど、犯人が異常者になりきっているのが凄い。韓流映画=美人女優というイメージが強いが、実は主役以外の脇役たちの支えがあってこそ、今の韓流作品があるのだということを改めて痛感した作品だった。そして、やはりキム・ユンジンは半端じゃなく美しい。これほど欠点のない整ったルックスに匹敵するのは、私の知る数少ない韓流女優の中ではソン・イェジンくらいだろうか。韓国芸能界には整形美人が多いというが、キム・ユンジンの美しさが作られたものではないことを祈りたい気分だ。