評     価  

 
       
File No. 1035  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年08月08日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ラッセ・ハルストレム  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   ベッドリッジ駅、午後5時。
駅にはいつも君が待っていた。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   リチャード・ギア [as パーカー・ウィルソン教授]
ジョーン・アレン [as ケイト・ウィルソン]
サラ・ローマー [as アンディ・ウィルソン]
ケイリー=ヒロユキ・タガワ [as ケン]
ジェイソン・アレクサンダー [as カール]
エリック・アヴァリ [as シャビール]
ダヴェニア・マクファデン [as メアリー・アン]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    アメリカ東海岸郊外のベッドリッジ駅。ある寒い冬の夜、大学教授のパーカー・ウィルソンは旅行からの帰りに、ホームで迷子になったらしい秋田犬の子犬を保護する。妻のケイトから犬を飼うことを強く反対されているパーカーは、飼い主が見つかるまでという条件でその子犬を家で預かることにした。
 子犬の飼い主は一向に現れず、やむなくチラシを作って子犬の引き取り手を探すことにしたウィルソン夫妻。そしてある日、子犬を引き取りたいとの申し出の電話が入るが、庭で子犬と心底楽しそうに遊ぶパーカーを見たケイトは、「たった今飼い主が決まった」と断るのだった。こうして、秋田犬の子犬はウィルソン家の一員として暮らすこととなった。
 子犬の首輪には漢字で「八」と書かれた札が付いており、その子犬は“ハチ”と名付けられることになった。そして、パーカーのあふれんばかりの愛情を受けてすくすくと成長していったハチは、いつの頃からか朝はパーカーを駅まで見送って帰宅し、夕方5時には必ず駅までパーカーを出迎えるのが日課となっていた。そして、そんな平穏な日々がいつまでも続くと思われたある日、突然の悲劇が訪れる。
 その日の朝はハチの様子がいつもと違い、出勤するパーカーについてこようとせずに吠えたてた。不思議に思いながらも出勤したパーカーは、講義の途中で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまう。そんなことを知らないハチは、いつものように駅でパーカーを待ち続けていたが、パーカーの娘アンディに連れ帰られる。ところが、その日もその次の日も、夕方5時になるとハチはベッドリッジ駅に行ってパーカーの帰りをただひたすら待つのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    ハチ公を描いた作品で公開が8月8日とくれば、星も8個付けないワケにはいかない・・・・・というのは冗談で、『マーリー』の時にも書いたが動物を主人公にした作品はハズレが少ないというのはこの作品にも当てはまるワケで、まして日本に実在したハチ公をモチーフにした作品でリチャード・ギアが主演とあれば、ハズレの作品を作る方が難しいのではないだろうか。周囲では涙している人も見受けられ、私はさすがに泣くことはなかったが、それもでハチのパーカーを思う気持ちには心を動かされた。
 聞くところによると、秋田犬は他の犬よりも演技をさせるのが難しいらしい。そのため、カメラフレームの外では思いもよらない工夫がされているのだろうと思われるが、そんなことを微塵も感じさせないハチの自然な演技が素晴らしい。映画制作の技術は、単にCGによる映像技術にとどまらず、言葉が通じない動物に思う通りの演技をさせるという点でも、著しく進歩しているのかなぁ、と感心させられる。
 実際のハチ公は飼い主である東大教授の上野英三郎氏が東京大空襲で急逝して以来9年間、この作品のハチはパーカーが亡くなってから10年間、ずっと飼い主を待ってそれぞれ渋谷駅、ベッドリッジ駅で待ち続けた。果たして、それが彼らにとって幸せだったのだろうか。首輪で無理矢理繋ぎ止めて飼い主を忘れるのを待つ方が、結果的には幸せだったのではないだろうか、などと思ってしまう。もっとも、もしも首輪でハチ公を繋ぎ止めるようなことをしていたら、この美談も生まれずに元も子もなくなってしまうのだが(笑)。