評     価  

 
       
File No. 1040  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年08月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   竹中 直人  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   列島絶叫!  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   成海 璃子 [as 岡垣内美香代/光笛]
沢村 一樹 [as 葛貫忠経]
AKIRA [as 与藻須賀三太郎]
マイコ [as 勝海子]
竹中 直人 [as 山崎田内左衛門]
桐谷 美玲 [as 鏑木宙子]
紗綾 [as 敏酒圭]
波瑠 [as 波来前胸恵]
温水 洋一 [as 温水洋一]
六平 直政 [as ムトゥ]
田中 要次 [as 分倍河原]
広田 レオナ [as サジエ]
井口 昇 [as 瓜瓦眉執]
荻野目 慶子 [as 津留子]
緋田 康人 [as 織蛾味スグル]
篠原 ともえ [as チャッピー]
佐伯 新 [as うるやん]
赤井 英和 [as 鹿島津]
石橋 蓮司 [as 伊東丹波成定]
斉木 しげる [as 藤本権田景頼]
デビット伊東 [as 夏彦]
クリスタル・ケイ [as ケイシー・千尋・セバスチャン]
岩松 了 [as 岡垣内今朝明]
生瀬 勝久 [as 蝦蟇且茂治郎]
由紀 さおり [as 与藻須賀トメコ]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    女子高校の2年生岡垣内美嘉代は、歴史研究会の合宿で山形の山間にある御釈ヵ部村へ、鏑木宙子敏酒圭波来前胸恵と共に顧問の教師勝海子に引率されてやってきた。御釈ヵ部村には、かつて壇ノ浦の合戦後源氏に追われた平家の侍頭・葛貫忠経が愛する女性光笛と共に流れ着いたが、腹心の侍伊東丹波成定藤本権田景頼夏彦が海に沈んでしまい、残ったのは山崎田内左衛門ただひとりだった。そして、山崎の策略にはめられて落ち武者狩りに遭った忠経はこの世に怨念を残したまま世を去り、光笛もどこかへ連れ去られたという言い伝えが残っていた。そんな忠経の祟りを鎮めるために、村には祠が作られたという。どころが村は、客寄せのためにその悲恋の物語を無理矢理縁結びにこじつけ、あろうことか忠経の祟りを鎮める祠を“縁結びの祠”などと称して観光地にしていたのだった。そして、そんな村の思惑にまんまと乗せられた勝先生は、真っ先にバスを縁結びの祠へと向かわせるのだった。
 勝先生と女子高生たちが到着した祠では、今まさに祠倒しの真っ最中だった。村長の蝦蟇且茂治郎が、縁結びのテーマパーク建設のために、古びた祠に替えて新たにスーパー祠を建てようとしていたためだった。そして、代々祠を守ってきた与藻須賀三太郎の警告にも耳を貸さず、祠はあっという間に倒されてしまった。そしてその夜、伝説の落ち武者・忠経とその配下の侍が、800年の恨みを晴らすべくこの世に甦った。そして彼らは、村人全員を地獄へ突き落とせと忠経が命じるまま、村人たちを次々と殺害していく。しかも、殺生が嫌いな落ち武者の夏彦が死んだ村人たちをゾンビとして甦らせると、そのゾンビがさらに村人を襲い、ねずみ算式にゾンビたちは増えていった。
 美香代たち一行も落ち武者とゾンビの群れに追いつめられるが、現れた忠経は光笛に生き写しの美香代を見て愕然とする。そして、美香代をさらって馬で駆け去ってしまった。美香代とはぐれたことに気づいた宙子、圭、胸恵の3人は、村から逃げようとした勝先生を無理矢理引き込んで、三太郎と共に美香代を助けるためにゾンビと落ち武者に戦いを挑むのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    成海璃子が主演だったからこそ観た作品で、彼女が主演でなければ劇場へなどわざわざ観に行くことはなかっただろう作品。地元のシネコンで15日からレイトショー限定公開ということで、封切りから2週間待たされてやっと観ることができたのだが・・・・・オープニングから竹中が登場して、いつものノリで幕を開けた時からイヤな予感はしていたのだが、本編を観て見事に予感は的中した。竹中がずっと作りたいと思っていたというホラーコメディなのだが、全く怖くないし笑えるシーンも皆無。よくもこれほどくだらない作品を作ったもので、彼の厚顔無恥ぶりには松本人志の『大日本人』を観た時に近い憤りを感じた。
 成海璃子主演とは名ばかりで、彼女の見せ場がないばかりかスクリーンに登場しない時間が異様に長く、逆に見たくもない竹中自身が登場するシーンの方が目立ち、これはもう彼の自己満足・自己陶酔以外の何物でもなく、観ていてい極めて不愉快にさせられる。竹中は大胆不敵にも、主演である成海璃子すら自分の引き立て役にしてしまっているのだ。可愛そうな璃子ちゃんは、自分がバカ騒ぎしたいだけの竹中の悪趣味に無理矢理引き込まれた犠牲者なのだ。そしてそれは他のキャストにも言えることで、誰もがバカバカしさのあまり真剣に演技などする気が起きず、適当にお茶を濁して済ませているとさえ感じる。そもそも、成海璃子がこの作品に出演したことは、例えて言うなら小学生の学芸会に高倉健を主演させるようなものだ。竹中は自分の作品に「主演:成海璃子」という肩書きが欲しかっただけか、あるいは単に彼女と共演したかっただけだろう。また、この作品には過去の作品への数々のオマージュが盛り込まれているとのことだが、どうやら竹中は“オマージュ”という言葉の意味を知らないらしい。“オマージュ(=hommage)”とは尊敬や敬意、あるいは賛辞といった意味であって、この作品でやっているのは単なるパクリ、それも低レベルで敬意の「け」の字も感じられず、そんなものをオマージュなどと呼ぶとは勘違いも甚だしい。そういうのは世間一般では「猿まね」と言うのだ。