評     価  

 
       
File No. 1050  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2009年08月29日  
       
製  作  国   フランス / カ ナ ダ  
       
監      督   パスカル・ロジェ  
       
上 映 時 間   100分  
       
公開時コピー   残酷ホラー映画がついに到達した究極の新境地“最終解脱”!
これは本当に公開して良いものなのか!?
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   モルジャーナ・アラウィ [as アンナ]
ミレーヌ・ジャンパノイ [as リュシー]
カトリーヌ・ベジャン
イザベル・シャス
エミリー・ミスクジャン
 
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あ ら す じ    1970年代のフランス。行方不明になっていた少女リュシーが、路上をさまよっていたところを保護される。彼女の体は傷だらけで衰弱しきっていたものの、性的虐待の痕跡は残されておらず、本人も行方不明の間にあったことは口を閉ざして何も語らなかったため、誘拐の目的は不明のままだった。そして、それから15年が経過する。
 森の中の一軒家に住む、夫婦とその子供たちというごく普通の家族。その平穏な生活が、突如として破られる。来訪者が呼び鈴を鳴らし、主人が出てみると、そこには猟銃を抱えたリュシーの姿があった。彼女は迷わずトリガーを引き主人を撃ち殺すと、家の中に押し入って残された家族を次々と猟銃で射殺していく。この一家が、15年前にリュシーを誘拐して監禁・虐待を行った真犯人だったのだ。
 復讐を終えたリュシーから電話を受けて現場に駆けつけた親友のアンナは、邸内の惨状に唖然とすると同時に、果たしてリュシーが正気であるのかを疑問に感じた。しかし、やむなくリュシーを手伝って遺体を庭に掘られた穴に埋めると、その夜を邸内で過ごすことにした。ところが翌朝、2人が立ち去ろうとした時、リュシーがいきなり自らの首を斬り裂いて死んでしまう。残されたアンナは、その屋敷の住人だった一家が本当にリュシーを拉致した犯人なのか、屋敷内を調べ始めた。
 リュシーは確かに正気だったことをアンナは確信した。地下室で、長い年月の間監禁・虐待を受けたと思われる女性を発見したのだ。彼女を助け出したアンナだったが、そこへ正体不明の男女が現れて女性を撃ち殺すと、アンナを捕らえて地下室に監禁してしまう。今度はアンナがそこで、リュシーや殺された女性のように想像を絶する虐待・拷問を受ける番となったのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    子供の頃に誘拐された少女が成長してとある一家を惨殺する、それのどこがホラーなのだ?と疑問に思っていたら、少女を襲う怪物(実は女性らしい)が姿を現し、やっとホラーらしくなったかな・・・・・と思ったら、実はそれも本筋ではなく実は・・・・・と内容が二転三転刷る作品だった。そして、見終えた時に残った感情は怖さなどではなく、言いようのない不快感、いや、正確に言えば「不快」ではなく「不愉快」、さらに言うならば抑えようのない腹立たしさだった。
 もうあと公開期間も残すところ5日となったから、今回はネタバレを気にせずにぶちまけさせてもらうと、かつて少女を誘拐したのがワケのわからない宗教団体で、その目的が“最終解脱”だぁ?それって一体何よ?そんなくだらないことのために何の罪もない少女を誘拐して監禁・虐待する、そんな描写を見せられたらたとえフィクションであったとしても平静でいられるはずがない。 その少女が美人なのだからなおさらだ(笑)。他人を解脱させてその感想を聞いて一体何が楽しいのだ? そんな連中は狂ってるよ、完全に。解脱とは他人を苦痛の極限状態に追い込んで無理強いするようなものでは決してなく、自分が苦行を重ねた末に達する境地であって、“マドモワゼル”と呼ばれる教団のトップらしきバアさんが率先して体験すればいいのだ。そうすれば、さぞかし観終えた後に気分がスッキリしたことだろう。
 とにかく、未だかつてホラー映画を観てこれだけ腹立たしさを感じたことはない。こんなむごたらしい作品を考え出した人間の感性が信じられない。そう言う意味では斬新な作品であるのかもしれないが、私にはこんな作品を受け入れることは断じて出来ません。