評     価  

 
       
File No. 1051  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年09月04日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   トニー・スコット  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー  
123号車、応答せよ
要求は何だ?


この車両ひとつで、
NYはハイジャックできる。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   デンゼル・ワシントン [as ウォルター・ガーバー]
ジョン・トラヴォルタ [as ライダー]
ジョン・タートゥーロ [as カモネッティ警部補]
ルイス・ガスマン [as レイモス]
マイケル・リスポリ [as ガーバーの上司ジョンソン]
ジェームズ・ガンドルフィーニ [as ニューヨーク市長]
ベンガ・アキナベ
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
ヴィクター・ゴイチャイ
 
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あ ら す じ    ある日のニューヨーク地下鉄運行司令室。勤務中のウォルター・ガーバーは、1時23分ペラム駅発の列車が緊急停止したことに気づき、無線で話しかけた。しかし列車からの応答はなく、代わりに近くを通過した列車から銃声らしき音が聞こえたとの連絡があった。そして、やっとペラム123号から入った応答の声の主は、運転手でも車掌でもなくライダーと名乗る男だった。ペラム123号はライダーとその一味にジャックされていたのだった。
 ライダーは無線を通じて、ニューヨーク市長に対して乗客の身代金として1時間以内に1,000万ドルをに支払うよう要求してきた。そして、1時間を過ぎたら1分ごとに人質をひとりずつ殺すと言う。そこへ警察が到着し、ガーバーは指揮を執るカモネッティ警部補から帰宅を命じられた。ところが、ライダーからの無線にカモネッティが応答すると、なぜかライダーはガーバーを交渉役に指定し、すぐにガーバーを呼び戻さなければ人質となっていた電車の運転手を殺すと脅迫してきた。慌てたカモネッティはガーバーを呼び戻すが、ライダーのカウントダウンには間に合わず、無残にも運転手はライダーに射殺されてしまう。
 ガーバーはカモネッティのサポートの元、ライダーとの交渉を続けることとなった。こうして、犯人のライダーと、彼との交渉の中で何とかして事件解決への糸口を見つけようとするガーバーの、腹の探り合いが幕を開けることとなった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    デンゼル・ワシントンとジョン・トラヴォルタの共演は見応えがある。ドジョウヒゲを生やしたジョン・トラヴォルタのキレた悪役ぶりが笑ってしまうくらいハマっている。『サタデー・ナイト・フィーバー』でブレイクした彼を見た時、多分ディスコブームが去ると同時に、彼の人気と役者生命も終わるんだろうな、などと思っていた私の予想は見事にはずれていたわけだ。一方のデンゼル・ワシントンは、予告編を初めて観た時やけに太ったと真っ先に感じたが、どうやらこの作品の役作りのためだということで、その理由は後半を観て納得。確かにあの設定では、いつもの精悍な彼のままでは様にならない。この作品では、太って力業は苦手なイメージのキャラクターが必要だったのだ。
 そこまでしてガーバーという役柄を作り上げたからには、さぞかし手に汗握る頭脳戦が繰り広げられるのかと思いきや、結局最後はいつもの力業に落ち着いてしまうのが残念。この手の作品にはカーチェイスも拳銃も必要ない、必要なのはいかに相手の裏を読み先手を打つかという知力の戦いを期待していたのだが。また、単に身代金目当てではなさそうで、その裏にもっと大きな意図が隠されていると思わせたライダーだが、その意図が判明してみれば実に単純極まりなく、これもガッカリさせられた点のひとつだ。「裏が深そうだと思わせておいて、蓋を開けてみれば実は他愛なかった」というのが、この作品全般に対する私の率直な感想だ。ちなみに、作品中でガーバーがある事件が原因で収賄の疑いをかけられて降格処分を受けているのだが、その賄賂を贈った相手が日本企業というのには内心「またかよ・・・・」と思わずにいられなかった。日本の鉄道車両が優れていると持ち上げてくれているのは悪い気はしないのだが、それにしても贈賄とは・・・・・国家産業とも言える自動車産業で日本に負けたことに対するせめてもの皮肉なのか、あるいは金に負けたとでもしておかなければアメリカのプライドを保つことができないのだろうか、などと邪推したくもなる。