評     価  

 
       
File No. 1056  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年09月12日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   岸谷 五朗  
       
上 映 時 間   97分  
       
公開時コピー   死体を連れて、
どこまでも。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   上野 樹里 [as 沼尻ひろ子]
木村 佳乃 [as 小林福子]
寺脇 康文 [as 大家さん]
眞木 大輔 [as 江頭賢一]
小出 恵介 [as 小峰くん]
田中 圭 [as 利根川純]
中尾 明慶 [as 北翔]
小松 彩夏 [as AYAKA]
清水 くるみ [as 中学時代のひろ子]
田中 要次 [as 修理のオジサン]
小倉 久寛 [as 小倉さん]
高島 礼子 [as 春日先輩]
北村 一輝 [as 景山道生]
北村 総一朗 [as 沼尻源一郎]
 
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あ ら す じ    幼い頃から何をやってもビリッけつで周囲からは“どん尻ビリ子”というあだ名で呼ばれていた、25歳のOL沼尻ひろ子は、イケメンな彼氏賢一との結婚が決まり、職場のお局さん春日先輩のイヤミも右から左へ聞き流して、無事寿退社することとなった。ところが、結婚式の前日に大家さんが訪ねてきた時、ひろ子は持ち前のドジから誤って彼を殺害してしまう。両親のいないひろ子を親代わりに育ててくれた余命わずかの祖父源一郎のためにも、絶対に翌日の結婚式でウェディング・ドレスを見せてあげなければならない、そう考えたひろ子は、結婚式が終わるまで死体を隠そうと考えた。
 ひろ子はティッシュ配りのバイト小峰くんがら彼の車を失敬すると、死体を詰めたトランクを乗せて富士の樹海に向かって走り出した。ところが、突然激しい衝撃と共に、車に見知らぬ女が転落してきた。その女小林福子は美人なのに男運に恵まれず、かといって自殺したくても死ねないという不運の持ち主で、今も首つり自殺を図ったもののロープを吊した枝が折れてひろ子の車に転落してきたのだ。福子はひろ子のスーツケースにある死体に気づき、ひろ子にある提案を申し出る。それは、「死体の処理を手伝う代わりに、終わったら私を殺して」というものだった。
 こうして、“結婚したい女”と“死にたい女”の死体を運ぶ逃避行は始まった。しつこく2人を追いかける警官の利根川や、なぜか逃げると追いかけてくる暴走族の北翔たち、果ては指名手配中のマフィアまでをも巻き込みながら、果たしてひろ子は無事結婚式を迎えることができるのか?そして、自殺志願の福子の行く末は・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    このところ『山形スクリーム』『しんぼる』と、タレントの監督作にうんざりさせられていたために、岸谷五朗が監督したこの作品も覚悟をして臨んだのだが、いい意味で予想を裏切ってくれた作品。上野樹里扮するひろ子の表情の変化をパラパラ漫画のように静止画の連続で表現したりと、随所に目新しい試みが垣間見られるのが面白い。キャスティングも岸谷五朗の初監督を祝福するかのように、豪華な顔ぶれがそろっているのも見所のひとつだ。
 主役の2人上野樹里と木村佳乃という異色の組み合わせが、この作品の成功に寄与しているところは大きい。上野樹里はもちろんのこと、このところもっぱらシリアスな役柄専門だったように思える木村佳乃のコメディエンヌぶりも実に見事で、主役の2人にこれだけ実力のあるキャスティングがされていれば、そう大コケすることはない。脇役たちもそれぞれ個性的な役柄をきっちりとこなしている中、私が最も気に入ったのは寺脇康文の大家さんだ。岸谷五朗曰く「日本一の二重ヅラ役者」というのは実に「言い得て妙」で、あの実に怪しげな大家さんをイメージが正反対の寺脇康文が演じたからこそ、強烈なインパクトのあるキャラクターが生まれたのだ。
 結婚式当日に北村総一朗扮するひろ子のおじいちゃんが、教会で孫娘の花嫁姿を見届けることができたためか、息を引き取るのは唯一切ないシーンだ。結局、誰ひとりとして不幸にはならなくてめでたしめだたし・・・・・と思っていたら、ラストではとんでもない大どんでん返しが用意されている。一体、あの後ひろ子はどうなるのだろうか?