評     価  

 
       
File No. 1065  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年09月19日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ニール・マーシャル  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー  
世界の終末(ドゥームズデイ)まで、48時間
人類の未来は、美しき戦士に託された。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ローナ・ミトラ [as エデン・シンクレア]
マルコム・マクダウェル [as ケイン博士]
ボブ・ホスキンス [as ビル・ネルソン]
アレクサンダー・シディグ [as ハッチャー首相]
エイドリアン・レスター [as ノートン軍曹]
デヴィッド・オハラ [as マイケル・カナリス]
 
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あ ら す じ    スコットランドで発生した正体不明の死のウイルスは、ワクチンが存在しないために瞬く間に百万単位の人々に感染が拡大し、イギリス政府はこれ以上の感染拡大を阻止するために、隔壁によって感染地域を隔離する政策をとった。こうして、隔壁より北の地域に残された者はただ死を待つのみとなり、やがては宿体を失ったウイルスも絶滅するだろうと思われていた。そして、時は2035年。根絶したと思われていたウイルスが、あろうことか隔壁の南で再び猛威を奮い始める。
 政府は隔壁以北の死の地域を衛生で絶え間なく監視していた結果、いるはずのない生存者を確認する。死の地域に取り残されたウイルス研究の権威ケイン博士が抗ウイルス剤を開発した結果だと考えた首相側近の陰の実力者マイケル・カナリスは、特命チームを結成して死の地域に送り込み、抗ウイルス剤を入手しようと考え、リーダーの人選をビル・ネルソンに命じた。そして、ネルソンは部下の一人である女性戦士エデン・シンクレアに白羽の矢を立てる。彼女の好戦的な性格が自体を好転させると考えたのだ。こうして、エデンをリーダーとする数名のメンバーからなるチームが結成され、死の地域へと赴くのだった。
 そこには予想を上回る数の生存者が暴力により支配された荒廃した世界だった。エデンたちのチームは暴力の権化のような生存者たちのリーダー、ソル率いる一団の奇襲を受け、2台の装甲車を失ったばかりか、メンバーの3人は殺害されてエデン自身も囚われの身となってしまう。ソルはエデンが隔壁の向こう側へ行くために利用できると考えたのだ。しかしエデンは拘束を逃れ、同じく囚われの身だったケイン博士の娘を助け出して、残された仲間2人とに合流して列車でソルの追っ手から逃れるのだった。
 ケインに会いに向かった一行は、ケイン配下の途中で処刑隊に捕らえられ、奇しくもケインの元へと連行される。しかし、ケイン博士と対面したエデンたちは、期待した抗ウイルス剤は開発されておらず、生存者は皆個体の免疫によってウイルス感染から免れていたという事実を知らされのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    地元のシネコンで、「世界の終わり」と窓口で言えば1,000円というシルバーウィーク限定のキャンペーンをやっていたために観ることにした作品で、もともとあまり期待はしていなかった作品。舞台がイギリスであるうえに死のウイルスに感染とくれば『28日後...』『28週後...』が連想されるが、イギリス映画ではなくハリウッド映画だというのはちょっと意外だった。
 最初に言いたいのは、この作品のコピーが果たして作品の内容を知ってつけられたのかはなはだ疑問だということ。ハッキリ言えば、見当違いも甚だしい誇大コピーなのだ。まずは、主演のローナ・ミトラは、『アンダーワールド ビギンズ』にも書いたようにケイト・ベッキンセイルに似てはいるのだが、例えて言うならケイト・ベッキンセイルと『ターミネーター』のリンダ・ハミルトンを足して2で割ったような感じだろうか。従って、コピーにある「美しき戦士」というのはいかがなものかと思う。少なくとも、100人が100人とも「美人だ」と認めるような美人タイプではないだろう。まぁ、ローナ・ミトラのルックスに関しては主観がかなり絡んでいるからともかくとしても、ひどいのは「世界の終末まで48時間」というコピーだ。死のウイルスに感染したのはイギリスだけなのだから、「イギリスの終末」ならともかく「世界の終末」というのは大ウソ。そして、48時間というタイムリミットも、終末までのカウントダウンなどではなく、首相側近のカナリスが独断で設定したミッション完了までの刻限のはず。前もってコピーを見ずに作品を観たからいいようなものの、もしも予備知識としてコピーを踏まえていたら、そのあまりのギャップに腹立ちを覚えていたかもしれない。
 また、てっきりこの作品は『28日後...』と同様に感染者との戦いがメインだと思っていたら、実は感染を逃れた生存者との争いがメインで、だったら別に死のウイルスなんていう設定も不要ではないのか、という疑問も浮かんだ。しかも、その生存者というのが『北斗の拳』のジードのような連中ときては、もはや死のウイルスの恐怖や、イギリス国民の運命がエデンの双肩にかかっていることなど意識の外へ消え去ってしまい、結局は荒廃した世界を支配する暴力の怖さ、つまりは何よりも恐ろしいのは他ならない人間自身であるという結論に落ち着いてしまうのはいかがなものか。エデンは死のウイルスから人々を救い出すヒロインではなかったのか?