評     価  

 
       
File No. 1066  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年09月19日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   崔 洋一  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   生き抜け!  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   松山 ケンイチ [as カムイ]
小雪 [as スガル(お鹿)]
伊藤 英明 [as 不動]
大後 寿々花 [as サヤカ]
イーキン・チェン [as 大頭]
金井 勇太 [as 吉人]
芦名 星 [as ミクモ]
土屋 アンナ [as アユ]
イ・ハソン [as カムイ(少年時代)]
PANTA [as 絵師]
佐藤 浩市 [as 水谷軍兵衛]
小林 薫 [as 半兵衛]
 
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あ ら す じ    掟に縛られたしのびの世界に嫌気がさして抜忍となったカムイ。掟破りの抜忍を討つべく執拗に追う大頭ミクモから逃れたカムイは、領主水谷軍兵衛の馬の脚を斬り落として持ち去ろうとする男半兵衛と出会い、行きがかり上彼を軍兵衛の追っ手から助けることとなった。そして、半兵衛の舟で彼の島へ向かう途中に嵐に遭遇したために、2人が乗っていては舟が沈むからと海中に突き落とされてしまう。
 カムイは偶然半兵衛の島に流れ着き、その家族に迎え入れられた。驚いたことに半兵衛の妻お鹿は、14年前にカムイと同じく抜忍となったくノ一のスガルであり、彼女はカムイを追忍と疑って心を許さなかった。そしてその一方で、半兵衛の娘サヤカは秘かにカムイに対して恋心を抱くのだった。
 ある日、島人の吉人が城下に貼られていた手配書を見て、半兵衛が領主の馬の脚を斬った犯人であることを密告したために、半兵衛が軍兵衛に捕らえられてしまう。しかし、処刑が行われる寸前にカムイとスルガが処刑場に奇襲をかけ、無事半兵衛を救い出した。そして、軍兵衛から逃れるために島を出ざるを得なくなった半兵衛一家とカムイは、舟で新天地を目指すこととなった。
 そんな一行の舟を、巨大な鮫の群れが襲う。そんな一行の窮地を救ったのは、不動が率いる渡り衆たちだった。カムイたちは渡り衆の船で新たな地・幸島にたどり着くき、居を構えることとなった。カムイは不動たちの正体に疑念を抱いたものの、サヤカと心を通わせることで初めて知った温かさに、かつてない穏やかな日々を送るのだった。しかし、その幸せも長くは続かず、カムイを追う追忍たちはすぐ近くにまで迫っていたのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    マツケン主演とあって結構期待していたのだが・・・・・残念。キャスティングには不満はなく、それぞれの俳優が与えられた役柄をちゃんとこなしているにもかかわらず面白く感じないのは、脚本と監督の力不足だろうか。また、私が観た限りでは半兵衛を処刑し損ねた時点でお役ご免だとしか思えない水谷軍兵衛をラストシーンにまで登場させるのは全く意味不明で、しかもその軍兵衛を演じたのが佐藤浩市というビッグネームというのは、さらに理解不能だった。
 この作品、監督の崔洋一と共に宮藤官九郎が脚本を担当しているが、クドカン色が全く感じられない。それはむしろこの手の作品では逆に幸いしているとも思えるのだが、それにしても何の罪もない島の人々全員を死なせてしまうとは、あまりに後味が悪すぎる。特に、月日貝の片割れを手にして事切れているサヤカの姿は見るに堪えない・・・・・のは、サヤカを演じていたのが大後寿々花だからなのだが(笑)。
 マツケンの演技はさすがと言う他なく、作品によって全く異なるキャラクターを作り上げて演じるその底知れない力は、紛れもなく若手ナンバーワンだ。そのマツケンにクライマックスで相対するのが伊藤英明とは、ちょっと役不足ではないだろうか。そして、そのクライマックスシーンが驚くほど盛り上がりに欠ける。正直、「えっ?これで終わり??」と唖然とさせられたくらいだったから。というわけで、若手のトップ俳優を主演に据えた時代劇対決は、小栗旬の『TAJOMARU』の勝ちということになるだろう。