評     価  

 
       
File No. 1069  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年09月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   緒方 明  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   な〜んも考えずに生きてきた31歳子持ち女子
人生かけた再出発
きっかけは、お弁当!?
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   小西 真奈美 [as 永井小巻]
岡田 義徳 [as 永井範朋]
村上 淳 [as 川口建夫]
佐々木 りお [as 永井乃里子]
山口 紗弥加 [as 玉川麗華]
斉藤 暁 [as 園長先生]
絵沢 萌子
徳井 優
北見 敏之
松尾 諭
上田 耕一
花原 照子
岸部 一徳 [as “ととや”の主人・戸谷]
倍賞 美津子 [as 原フミヨ]
 
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あ ら す じ    31歳の専業主婦永井小巻は、年下のダメ亭主範朋とひとり娘ののんちゃんとの3人暮らし。お金には困らないものの、範朋のダメさ加減に我慢ができなくなった小巻はある朝部屋に離婚届を残し、自転車で追ってくる範朋を振り切って、のんちゃんと共に母フミヨの元へと出戻った。勢いで夫の元を飛び出したものの、仕事もなく就職できるようなキャリアもなくおまけに貯金もない小巻は早々と行き詰まってしまう。この際贅沢は言っていられないと、昔の同級生で幼稚園の先生をしている玉川麗華に紹介された水商売のバイトを始めてみるが、酔った客からセクハラされて喧嘩した挙げ句初日で辞めてしまった。
 そんな小巻の前に現れた中学時代の初恋の相手で写真展を営む川口建夫は、小巻を優しく気遣ってくれた。そして、建夫の配達に付き合わされて訪れた小料理店“ととや”の主人戸谷からご馳走になったサバの味噌煮の美味しさに感動した小巻は、自分でもサバの味噌煮を作ってみる。作りすぎてしまったサバの味噌煮を弁当に詰めた小巻は、それを幼稚園の先生方にふるまったところ美味しいと大評判となり、タダでご馳走になるのは申し訳ないと皆がお金を出し合ってくれた。それを見て、小巻は決意した。自分がやる仕事は安くて美味しい弁当屋を開くことだ、と。
 小巻は再び“ととや”を訪ね、唐突に戸谷に自分を弟子にして欲しいと頼み込む。小巻のその場の思いつきではないかと渋る戸谷も、小巻の熱意に負けて店で働くことを許可する。“ととや”で働き始めた小巻に戸谷が教えてくれたのは、料理のことだけではなかった。厳しいが温かい思いやりのこもった戸谷の言葉に支えられ、小巻は弁当屋に必要な食品衛生責任者免許も取得するが、肝心の開店資金の当てがまったくなかった。そんな小巻に戸谷は、開店前の時間に店を使っていいと申し出てくれた。けれども、すべて自分の力で成し遂げなければならないと、小巻はその有り難い申し出を断ってしまう。すると今度は建夫が、写真店を閉めるつもりだから店舗を弁当屋に変えて一緒にやらないか、というプロポーズも兼ねた申し出があり・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    またまた行ってきました、初日舞台挨拶。実は『空気人形』の舞台挨拶も、この作品の舞台挨拶が行われたユーロスペースから5分とかからないシネマライズで行われていて、非常に気にはなっていた。もしも時間の都合がついていたなら、おそらくは舞台挨拶のハシゴという初めての試みとなっていたところだった。けれども、ちょうど両者の舞台挨拶の時間がほぼ同時刻に行われるため、私は迷わずに『のんちゃんのり弁』を選んだわけだ。
 前から3列目の至近距離で待望の小西真奈美の実物を見ることができ、やはりスクリーンやテレビで観るのとたがわないたのは。緒方監督と小西真奈美、岡田義徳の登壇だったが、監督や岡田義徳が話をしている時も私は視線を小西真奈美から外すことができず、早い話が彼女に完璧に見とれていたというていたらくだった。そして、進行役のインタビューに対する受け答えを聞いていると、その的確で明快な返答からも小西真奈美の頭の良さがわかる(もう完全にベタ褒め状態 ^-^;。でも、彼女が頭がいいと感じたのはお世辞抜きで正直な感想です)。そんなわけで、この作品のコメントはかなり冷静な判断を欠いてしまっている可能性があるが、そもそも独断と偏見による映画評なのだから、その点は悪しからず(笑)。
 作品自体も彼女のイメージそのままに、変に細工を凝らすようなこともなくストレートで気持ちのいい出来だったと思う(これはひいき目抜き)。舞台となったのは東京の下町、おそらくは亀戸辺りではないだろうか。私の友人宅の近辺ではないかと思われるような、見たことのある風景が映っていたから。そして、そんな下町に生きる人たちの穏やかで温かい気質が観ている者には心地いい。小巻の母を演じた倍賞美津子の、江戸っ子らしい竹を割ったようなイヤミのない人柄もいいが、穏やかながらも厳しい言葉で小巻をたしなめながら、言葉とは裏腹の思いやりで接してくれる岸部一徳扮する“ととや”の主人・戸谷の存在感が抜群だ。また、小巻の娘ののんちゃんこと乃里子を演じた佐々木りおチャンの可愛さも光っている。観た後にほのぼのとした気分にさせてくれる作品だ。