評     価  

 
       
File No. 1073  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年09月26日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   モーガン・J・フリーマン  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   あなたを・・・誰にも
渡さない。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ミーシャ・バートン [as シェルビー]
マット・ロング [as マイク]
ジェシカ・ストループ [as エリザベス]
マイケル・フランデス [as ビリー]
アレン・ウィリアムソン [as アダムス]
ジョシュア・イライジャ・リース [as ビリック]
ニック・パスカル [as デイビス]
ジョー・フォルジオーネ [as エルフマン]
 
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あ ら す じ    高校時代、フットボールチームの花形選手だったマイクは、終末に行われる彼が付けていた背番号7の永久欠番の式典のために、ガールフレンドのエリザベスを伴ってピッツバーグ郊外の小さな町マウント・ブリスに帰郷することとなった。マイクはエリザベスを自分の両親に紹介するつもりでいたために、エリザベスにとってはやや緊張気味の道中だった。
 マイクがエリザベスを伴って到着すると、彼の従兄弟で保安官のビリーたちが出迎えた。そして、町の外れにあるダイナーが併設されたボウリング場“アリー”に2人を誘うが、なぜかマイクは乗り気ではなかった。その理由は、“アリー”を経営しているのがかつてのマイクの恋人シェルビーで、彼女は病的なほどに思い込みが激しく、ビリーから未だにマイクを自分の恋人だと思っていることを聞かされていたからだった。しかし、結局断り切れなくなったマイクは、渋々エリザベスを連れて“アリー”に訪れた。
 マイクはシェルビーにエリザベスを紹介すると、シェルビーは平静を装いながらエリザベスと2人でテキーラを飲み交わし始める。店を出た時にはエリザベスはかなり酔っていたために、マイクの家に泊まらずにモーテルで1泊すると言い出す。酔った状態で初対面の彼の両親と会うのは気が引けたのだ。エリザベスはビリーに車で送ってもらいモーテルに到着するが、そのモーテルはすでに満室だった。エリザベスは4マイル先に別のモーテルがあると教えてもらったものの、ビリーはすでに帰ってしまったあとだったため、やむなくよるのハイウェイひとり歩いて次のモーテルへと向かった。
 そして、悲劇は起きる。道ばたを歩いていたエリザベスは、ハイウェイを疾走してきた車に撥ねられてしまったのだ。車を運転していたのは、運命の悪戯かエリザベスを恋敵と憎悪するシェルビーだった。シェルビーは車を降りて、自分が撥ねたのがエリザベスであることを知ると、意識のない彼女を家に連れ帰り手厚く看護をした。しかし、彼女が自宅にいることを誰にも知らせず、意識が戻ったエリザベスには電話もさせないうえに家から出ることも許さなかった。こうしてシェルビーは、マイクを取り戻すためにあらゆる手段の誘惑を仕掛けていく。それでもなおエリザベスに向いたマイクの気持ちを動かすことが出来ず、シェルビーの行動は次第に常規を逸して狂気すら帯び、ついには殺人を犯すまでに暴走していくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ウォッチャーズ』という邦題の意味がまったくわからない。“Watcher”は「番人」や「監視人」という意味なのだが、単数形であればエリザベスを監禁して監視するシェルビーがそれに当たるだろうが、複数形となると、一体何を誰が見張っているのやら・・・・・理解不能だ。そして、いきなりシェルビーが車で女性を撥ねてしまうシーンから始まるという、その編集の意図もまた理解不能。そうすることによって何らかの効果があるとは到底思えないし、後ほど全く同じシーンが再び登場するのだから、単に時間の無駄ではないだろうか。
 ところで、ミーシャ・バートンと言えば、『あの日の指輪を待つきみへ』で主人公の若い頃を演じたのが今でもハッキリと記憶に残っている。今回の『ウォッチャーズ』も、おそらく彼女がか弱いヒロインで辛い目に遭わされるのだろう、と思ってバルト9に行ってみた。ところが、作品を観てみると私の予想はとんでもない見当違いで、今回は主演は主演でも恐ろしい目に遭うヒロインではなく、恐ろしい目に遭わせる側だとは驚いた。ただ、あくまでも精神に異常を来したような役柄ではなく、昔の彼氏のことを今でも好きなあまり盲目状態に陥り、彼を手に入れるためには手段を選ばないというヒロインではあった。
 とにかくこの作品の成否の鍵はすべてミーシャの演技にかかっていると言っても過言ではない。そして、弱冠23歳とは思えないベテラン顔負けのその演技は、彼女の女優としての資質が優れていることの証左だろう。そして、その美しい顔で結構残虐な仕打ちをしたりするから「可愛さ余って憎さ百倍」で、ラストシーンではカタルシスを感じてしまったりする。そして、エリザベスにヘルメットで散々殴打されたシェルビーが、最後にパッと目を見開くのは予想通り。というか、エリザベスが殺人を犯していなかったことにホッとしたというのが正直な気持ちだった。