評     価  

 
       
File No. 1085  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年10月17日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   セス・グロスマン  
       
上 映 時 間   90分  
       
公開時コピー   愛する人を救うため、
     僕は「今」を捨て「過去」に戻る。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クリス・カーマック [as サム・リード]
レイチェル・マイナー [as ジェナ・リード]
ミア・セラフィノ [as レベッカ・ブラウン]
サラ・ハーベル [as リズ・ブラウン]
ケヴィン・ヨン [as ハリー・ゴールドバーグ]
リンチ・R・トラヴィス [as ダン・グレン]
 
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あ ら す じ    過去の殺人現場にタイムスリップし目撃した犯人を警察に教えることで、すでに20件を越える事件を解決してきたサム・リードは、自分が望む日時へタイムスリップする特殊な能力を持っていた。彼は過去にタイムスリップする際に、決して過去を変えないというルールを自らに課していたが、その背景には、かつて彼の家が火事になった際に、本当であれば死んでいたはずの妹ジェナを助け誰がために、助かるはずだった両親を死なせてしまったというトラウマがあったためだった。過去を変えることは、たとえそれがほんの些細な変化であったとしても、バタフライ・エフェクトによって現在が大きく歪められてしまう危険性を常に伴っているのだった。
 そんなサムの前に、10年前に殺害された彼の恋人レベッカの姉リズが訪ねてくる。リズは、現在レベッカ殺害の罪で死刑執行が迫っているロニーが実は事件当時レベッカの恋人であり、彼がレベッカを殺すはずがないとサムに訴え、サムの力で真犯人を探して欲しいと依頼してきた。つらい過去と再度向き合うことができずに、リズの依頼を断ったサムだったが、彼女が置いていったレベッカの日記を読んで気持ちが揺らいだ。そして、彼がタイムスリッパーであることを知り、的確な助言を与えてくれるゴールドバーグ教授や、彼のタイムスリップの協力者であるジェナの反対を押し切り、彼は過去に戻ってレベッカを助けることを決意した。
 サムは10年前の事件発生直前にタイムスリップしたサムは、車で帰宅したリズと鉢合わせになる。リズを車に戻しドアをロックさせ、絶対に外に出ないように警告してレベッカの寝室へ向かったサムだったが、レベッカはすでに殺害されてしまっていた。そればかりか、車に戻ってみるとリズまでもが殺されてしまっていた。
 自らのタイムスリップによって、本来であれば生きていたリズまでをも殺されてしまったことで、彼が戻った現在には様々な変化が起きていた。ジェナの家賃を払っていた彼がジェナの部屋に居候する立場に逆転しており、レベッカ殺害に端を発した殺人は8人もの女性の被害者を出す連続殺人事件となっていた。自責の念にかられたサムの相談を受けた教授は、同じ過去へ戻ると脳をやられると忠告する。そこで、サムは3人目の犠牲者の殺人現場へと戻るが、なぜか殺人は起きずに、過去が変わったことで現在はさらに変化してしまい、サムはますます苦境に追い込まれていくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2005年に日本で公開され、主演のアシュトン・カッチャーを一躍スターダムへと押し上げるきっかけとなった、あの『バタフライ・エフェクト』のシリーズ三作目の登場となった。正直1作目に比べて2作目はかなり期待をはずされた感があったが、今回の『最後の選択』は1作目に匹敵するほどの出来だと思う。加えて、過去2作品にはない殺人事件の真相究明というサスペンス色も加わって、より中身が濃い作品になっている。
 主役のサムを演じた、どう見ても体育会系の精悍なマスクのクリス・カーマックの、タイムスリップを繰り返すことによって苦悩を深めていく繊細な演技が上手い。そして、その妹を演じたレイチェル・マイナーの可愛さが目を惹く。その可愛さゆえにクライマックスでのサムの苦渋の選択が、観る者の胸を締め付けるような切なさを誘う。最初にレベッカの殺害を阻止するためにサムがタイプスリップした際、なぜ犯人に先を越されたかを考えてみれば、真犯人もサムと同じ特殊能力を持っていること、さらにはそれが何者なのかが想像できたかもしれない。私は中盤を過ぎた頃に、「もしかし犯人は・・・・・」と思い当たり、その考えが間違っていて欲しいと強く思ったのだが、残念ながら的中してしまい・・・・・なんてことを言ったら、ネタバレになってしまっているかな?