評     価  

 
       
File No. 1097  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年11月06日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   サム・ライミ  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   何故?どうしたら? 解けなければ、死。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アリソン・ローマン [as クリスティン・ブラウン]
ジャスティン・ロング [as クレイ・ダルトン]
ローナ・レイヴァー [as ガーナッシュ夫人]
ディリープ・ラオ [as ラム・ジャス]
デヴィッド・ペイマー [as ジャックス氏]
アドリアナ・バラーザ [as ショーン・サン・デナ]
 
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あ ら す じ    銀行で融資を担当するクリスティン・ブラウンは、同僚のステュとアシスタント・マネージャーへの昇進を争っており、そのために支店長のジャックスに自分を売り込まなければならなかった。そんな時、彼女の前に現れた客がガーナッシュ夫人だった。年老いたガーナッシュはクリスティンに三度目のローンの延長を願い出るが、自らの昇進がかかっていたクリスティンは申し出をきっぱりと断ってしまう。すると、ガーナッシュの態度は豹変し、その場は警備員に取り押さえられて事なきを得たものの、仕事を終えたクリスティンを駐車場で待ち伏せして再び襲いかかってきた。
 格闘の末ガーナッシュはクリスティンを押さえ込むと、彼女のコートのボタンを引きちぎり、意味のわからない呪文のような言葉を呟く。そして、ボタンをクリスティンに返すと、「次はお前が私に請いに来るんだ」と言い残してその場から消えていった。
 その翌日からクリスティンの周囲では奇妙な現象が起きるようになった。恋人のクレイに相談してみても、彼は非科学的だと彼女の話を信じようとはしなかった。藁にもすがりたい一心で、クリスティンはクレイとのデート中にもかかわらず、ふと目についた占いの店に入る。そして、占い師のラム・ジャスから、クリスティンにはジプシーの呪いがかけられており、ラミアと称する悪魔に取り憑かれていると告げられるのだった。
 クリスティンは呪いを解いてもらうべく、ガーナッシュの自宅を訪れる。ところが、ガーナッシュはすでに亡くなっており、家ではその葬儀の真っ最中だった。そして、ガーナッシュの孫娘から黙って報いを受けろと冷たくあしらわれてしまう。もはや呪いを解く術を失ってしまったクリスティンは、再びラム・ジャスを訪ね、ラミアとの対決の機会を待っている霊媒ショーン・サン・デナの存在を教えられる。クリスティンはその霊媒師に最後の望みをかける決心をし、ラミアの降霊術に臨むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    相変わらず邦題の拙さが鼻につく。邦題の“スペル”とはこの作品の場合「禁句」の意味で使われているようだが、どう考えても意味不明のタイトルとしか思えない。「禁句」とは言ってはいけない言葉であり、その「禁句」を口にしたがために何かが起こるというのならわかるが、主人公のクリスティンは禁句など口にしていない。ガーナッシュが呟いた呪いの言葉を「禁句」だと言いたいのだろうが、それじゃ「禁句」という言葉の使い方が根本的に間違ってるよ。
 作品の内容はというと、大音響で観客を脅かすという、昨今のホラー映画によくある常套手段のオンパレードだった。観ている側が「そろそろ来るぞ、来るぞ」と身構えていても、やっぱり驚かされてしまう。そして、次から次へとたたみ掛けるようにそんな仕掛けが全編にわたって施されているものだから、観終えたときの疲労感も半端じゃない。もちろん、心臓の弱い人はもちろん、気の弱い人にも絶対に勧められない作品だ。
 『スパイダーマン』シリーズでは「あれ?サム・ライミ、一体どこへ行っちゃうんだろう?」なんて思ったものだが、久しぶりに彼のホームグランドとも言えるこのジャンルへの復帰というせいもあってか、思う存分彼の持ち味が発揮されている感がある。私はこの作品を観ていて、スティーヴン・キングの『痩せゆく男』を連想してしまった。主人公がジプシー(『痩せゆく』はインディアンだが)の呪いにかけられたことや、ついに呪いが解けたと思い喜んだのも束の間、救いようのない絶望感に苛まれるのも共通している。ただ、この作品の場合、そのラストが容易に想像できてしまうのが弱い。自分の命がかかっているんだから、封筒の中身はちゃんと確認しなければダメでしょう。