評     価  

 
       
File No. 1098  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2009年11月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ポール・マクギガン  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   未来を、動かせ。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クリス・エヴァンス [as ニック・ガント]
ダコタ・ファニング [as キャシー・ホームズ]
カミーラ・ベル [as キラ・ハドソン]
クリフ・カーティス [as フック・ウォーターズ]
ジャイモン・フンスー [as ヘンリー・カーバー]
 
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あ ら す じ    第二次世界対戦以来、国家によって特殊能力者の研究・育成が行われてきた。彼らを監視する特殊機関は“ディビジョン”と呼ばれ、そこでは捕らえられた能力者たちを使った人体実験が行われていた。念動力を持つムーバー、ニック・ガントも、幼い頃にディビジョンのヘンリー・カーバーに父を殺されて以来、ディビジョンから逃れるために世界各地を転々とし、今は香港の街中で身を隠しながら生活を送っていた。
 ある日、彼の前に未来を予知できる能力者ウォッチャーのキャシー・ホームズが現れる。彼女はニックに、ディビジョンから脱出したひとりの女性を探し出すのを手伝って欲しいと言う。その女性が持つトランクが重大な意味を持っているとキャシーは言う。ニックは彼女の依頼を断ったものの、ディビジョンから逃げ出した女を追っているのはカーバーが率いるディビジョンのエージェントたちだけではなく、地元の能力者たちもまた執拗に女を追っていたのだった。そして、ニックとキャシーは早速香港の組織による洗礼を受け、ニックは瀕死の重傷を負ってしまう。
 触れることで傷を治す能力者スティッチの力を借りて回復したニックは、キャシーに協力して女を探し始める。ところが、ようやくたどり着いたその女性は、かつてニックの恋人だったキラ・ハドソンだった。そして、彼女が持つトランクにはディビジョンで行われていた能力増幅の人体実験に使われた薬品が収められていた。彼女はその人体実験で唯一生き残った被験者だったのだ。こうして、ニックやキャシー、ディビジョンを引退したシフトの能力者フック・ウォーターズのグループとディビジョン、それに地元香港の能力者たちのグループによる三つ巴の争奪戦が繰り広げられることとなった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この手のSFアクション作品にダコタ・ファニングが出演とあって、かなりの期待を抱きながら初日・初回の新宿ピカデリーへと赴いたのだが・・・・・。正直、『X-MEN』や『ファンタスティック4』(主演がヒューマン・トーチを演じたクリス・エヴァンスだし)のような痛快SFサイキック・ムービーを想像していたのが大ハズレで、舞台が香港ということもあってまるでウォン・カーウァイ作品のような気だるい雰囲気が充満していたのには意表を突かれた。そして、クリス・エヴァンスが演じるニックというキャラクターが、その能力を使いこなせない中途半端な設定のため、余計にストレスが溜まる。ただ、クライマックスではニックが敵に行動を読まれないようにある策を講じるのだが、それによってメンバーの行動が読めなくなるために、唯一緊迫感漂うスリルを楽しむことができた。
 そして、この作品を語る上で避けて通れないのがダコタ・ファニングの存在だというのは、誰もが認めるところだろう。今回も小生意気な13歳の少女キャシーというキャラクターを難なくこなしていて、彼女の演技力をもってすればおおよそ演じられないキャラクターはないとさえ思えてしまう。今回観ていて感じたのは、ほんのちょっとした仕草、例えば首をちょっとかしげたり、あるいはほんのわずか肩をすくめて見せたり、そんな細かな演技が実に上手いということ。大袈裟にやってしまえば明らかに「演技してる」と思われてしまうのだが、彼女はそれをごく自然にソツなく取り込んでしまっているのが凄い。ちなみに、彼女が酔っぱらうシーンは必見だ。