評 価
File No.
1106
製作年 / 公開日
2009年 / 2009年11月14日
製 作 国
日 本
監 督
水田 伸生
上 映 時 間
134分
公開時コピー
これは“泣ける喜劇”か!?“笑える悲劇”か!?
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
阿部 サダヲ
[as 下井草祐太]
瑛太
[as 下井草祐介]
竹内 結子
[as 山岸徹子]
塚本 高史
[as 金城大介]
皆川 猿時
[as トシちゃん]
片桐 はいり
[as みどり]
鈴木 砂羽
[as 下井草祐子]
カンニング竹山
[as 山岸正徳]
高橋 ジョージ
[as 桜井]
陣内 孝則
[as 桂谷壮一郎]
藤村 俊二
[as ボーダーシャツの男]
小倉 一郎
[as 中やん]
光石 研
[as 加々美昌弘]
伊原 剛志
[as 下井草健太]
いしだ あゆみ
[as 山岸安江]
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あ ら す じ
幼い頃、母
祐子
と別れた父親
健太
に連れられて家を出た
下井草祐太
。2人は善人通り商店街の店“デリカの山ちゃん”の店主・
正徳
と
安江
夫妻の元に身を寄せたものの、健太はある日祐太を置き去りにして店の売り上げを持ち逃げしてしまった。以来、祐太は“デリカの山ちゃん”のために一生懸命働いただけでなく、持ち前のお人好しから商店街の人々のために何も得にならない雑用までを決して断ることなく嫌な顔すらせずに何でも引き受けた。その甲斐あってか、祐太は商店街の誰からも慕われるようになり、店は行列ができるほどの人気店にまで成長した。
健太と別れた時には祐子のお腹にいた赤ちゃんがやがて生まれた、それが祐太の弟になる
祐介
だった。しかし、祐介が子供の頃に祐子は事故で亡くなってしまい、以来親戚をたらい回しにされた祐介は、周囲に溶け込むために人を笑わせることを覚えていく。そして、兄貴分の
金城大介
とお笑いコンビ“金城ブラザーズ”を組んだところ大当たりし、今や超売れっ子のお笑い芸人になっていた。けれども、祐太も祐介も互いに顔も名前も知らないままだった。
正徳が亡くなって祐太が二代目山ちゃんを継いだ店に、10年前出て行ったきり音信不通だった一人娘の
徹子
が突然帰ってきた。しかも、デブで不細工だったかつての面影もないほど別人のような美人になって。そんな徹子に祐太は結婚を申し込む。彼の頭の中には、先代の正徳が言った「デブじゃなきゃ、嫁にもらってほしい」という言葉がずっと残っていたのだ。そして、徹子は祐太の申し出を二つ返事で受け入れてくれ、2人はめでたく結婚することとなった。ところが、婚姻届を提出するために取得した戸籍謄本を見て、祐太はお笑い芸人“金城ブラザーズ”の祐太が実の弟であることを知り・・・・・。
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たぴおか的コメント
『舞妓Haaaan!!!』に続く、脚本・宮藤官九郎、主演・阿部サダヲのコンビ作品。『舞妓Haaaan!!!』は良くも悪くも阿部サダヲの持ち味が存分に発揮されていたのに対し、今回は山ちゃんと弟の祐太、山ちゃんと2人の徹子の連れ子、山ちゃん・祐太と父親の健太、それに祐太と大介の関係など、あれもこれも欲張りすぎている。その結果、「二兎を追う者は一兎をも得ず」で「これは“笑えない喜劇”か“泣けない悲劇”か」になってしまっているのでは?また、134分もの間劇場内で笑い声は一度も聞けずじまいというのも、徹子の言葉を借りるならば実に「薄ら寒い」。特に、いしだあゆみ扮する認知症の母親が、サングラスをかけた瑛太扮する祐介を見て「♪お昼休みは〜」とやるシーンは、嫌と言うほど予告編で見せられているのだが、改めて本編で観るとこの上なく寒い!つーか、悲壮感すら漂ってきそうなほど観ていて痛い。そして、その歌声は、もちろんわざと下手に歌ってはいるんだろうけど、とても元歌手だったとは思えない。
せっかく主演に阿部サダヲを起用しんたのだから、彼の本領を生かして思う存分突っ走らせればいいと思う。竹内結子も確かに美人なのだが、結婚前のような輝きを失ってしまっているように思えて、あまり魅力を感じられないのがツラい。134分という長さを退屈させることなく見せる力のある作品であることは確かだが、「宮藤官九郎の脚本」が主であり演じる俳優は従になってしまっているように思えるのもまた事実。もっと尺を短くして阿部サダヲらしい押しの強い演技を全面に押し出した方がいいと思うのだが・・・・・。。